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2023年12月 1日 (金)

「ペアリレー」はマラソン大会参加者減の救世主になるかも知れない

10月末に開催された「横浜マラソン2023」で、今大会より「ペアリレー」競技が新設された。
「ペアリレー」という名前から、なんだか甘い雰囲気を想起していたのだが、しらべていくうちにこれは「マラソン内の駅伝併催」なのだとわかった。

「ペアリレー」とは?
2人で襷をつなぐマラソン競技
・第1走者:スタート→中継地点
・第2走者:中継地点→フィニッシュ
・市民マラソンの1競技として行われる
・関門、ゴール制限時間などのルールは大会ルールを適用

横浜マラソン2023での「ペアリレー」
■開催日:2023年10月29日
■参加費 32,000円(2人1組)*一般ランナー20,000円
■定員:150組(300人)

・第1走者(約21km)
横浜ランドマークタワー前(スタート)→磯子スポーツセンター前(中継地点)
・第2走者(約21km)
磯子スポーツセンター前(中継地点)→パシフィコ横浜(フィニッシュ)

横浜マラソンのコースは2022年大会より、高速道路上の工程が11km→16kmに伸びた。
第2走者は中継所で襷を受け取ると間もなく杉田ICから都市高速に上がる。担当する21km中16kmが高速道路ということになる。


「横浜マラソン2023」の要項に「ペアリレー」という新種目をみつけた時、この趣向は他の大会では以前からあったのだろうか?あったとすれば「史上初」はいつ何処の大会だろう?という疑問がわいた。
生成AIや「Google先生」でしらべると、以下の大会でも"今後"予定されていることがわかった。


○高知龍馬マラソン2024
■開催日:2024年2月18日
■参加費:18,000円(2人1組)*一般ランナー13,000円
■定員:300組(600人)

・第1走者(約21km)
県庁前(スタート)→坂本龍馬記念館付近(中継地点)
・第2走者(約22km)
坂本龍馬記念館付近(中継地点)→春野陸上競技場(フィニッシュ)
*2人で走るのは42.195kmではなく "約43km"
*第1走者が競技を途中棄権した場合、第2走者は12時15分に中継地点から一斉スタート


○ふくい桜マラソン2024 *2024が初めての大会開催
■開催日:2024年3月19日
■参加費:25,000円(2人1組)*1人の場合14,000円
■定員:100組(200人)

・第1走者(約21.7km)
福井駅前・大名町交差点スタート ~ 森田駅前交差点付近(中継地点)
・第2走者(約20.5km)
森田駅前交差点付近(中継地点)→ 片町交差点付近フィニッシュ


「高知龍馬」「福井さくら」での実施は2024年であり、2023年10月の「横浜マラソン2023」が初めて「ペアリレー」を行ったマラソン大会と言えそうだ。

*マラソンの定義は「公道を42.195km(26.224マイル)走る陸上競技」
公道を使わない大会では、以下の大会があった。
2023年11月6日開催
第20回 大阪リレーマラソン2023 in 服部緑地(大阪府)
2人1組で42.195kmを走る

 

横浜マラソン2023では、ペアリレーランナーのナンバーカードに「ペアリレー」を表す襷をモチーフにしたアイコンがあしらわれ、実際に襷も掛けて走った。
中継所ではその襷を渡す。
制限時間までに第1走者が中継所に到達しなかった場合、第2走者は(一斉スタート襷を掛けて)一斉スタートする。まさに「マラソン内駅伝」

これまでにも「5km×4駅伝」といったランニング大会は行われているが、たいていは河川敷コースであり公道ではない。
箱根駅伝のように公道を封鎖して観衆が見守るなか「たすきリレー」する光景は感動的だ。
これまで、それを"見る"側だった「市民ランナー」がそれを"する"側に回れるのが「ペアリレー」

横浜マラソン2023では「ペアリレー」のエントリーが定員(150組300人)に達した(速報によると当日の参加者は227人)
当日の競技では「ペアリレー」のDNF(途中リタイア)はとても少なかった。


今回、横浜マラソン2023の運営側には新設ペアリレーに対する不安感があっただろう。
「過去にやったことがないことは、何が起こるかわからない」
だが一度やってみれば、自分たちが課題を乗り越えられることに気づく。

以下のような課題はあったものの、難なくこなせたものと拝察する。
・中継所の設営、運営
・DNS、DNFペアに対するリタイア受付の運用


「ペアリレー」は以下のような、これまでマラソン(42.195km)大会が取りこぼしてきたランナーを対象として取り込むことができる。
各大会は参加費を「一般ランナー」より割り増しで設定しており「客単価」を上げることにもなる。

1.陸上中距離競技者
横浜マラソン2023では上位成績者(10位まで)の大半が男性2人組だった

2.「フル42.195km はムリだけど、ハーフ21.09km なら」という市民ランナー
特に男女ペアで襷をつなぐというニーズを発掘できる

参加者減に悩む全国のマラソン大会主催者の皆さん「ペアリレー」種目開催をオススメします!

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