感染から3日 ゾコーバは処方されなかった
「コロナかかってたよ。インフルはないけど、ほらここ。写真撮る?」
それがなんの"写真撮る?"なのかはよくわからなかったが、せっかくなのでスマホを撮り出して撮影する。
今時の罹患者はここで「先生、写真一枚いいですか?SNSに上げたいので」とでも言うのだろうか。
あとで考えてみれば「コロナかかりました」ということを証明するものは他に何もない。
勤め人ならば、仕事に穴を開けることになり、組織に迷惑を掛ける。
まさか「コロナ仮病」を使う人はいないだろうが、組織に報告する際、この写真があれば信憑性が確かになる。
検査キット本体に、医師が日付と名前を書いているので「偽写真」ではないことは担保される。
こうして撮影したことで帰宅後に以下のことがしらべられた。
陽性検査に使われていたのはDenka製のキット。
■クィックナビ-Flu+COVID19 Ag
インフルエンザとコロナの同時検査ができる
・検体3滴 10分で結果が出る
・発熱外来で使用される
・特例的に薬局でも購入できる
・メーカー:Denka 本社東京都中央区日本橋
仕様
[C]コントロールライン
[S]SARS-CoV-2テストライン
[A]インフルエンザAテストライン
[B]インフルエンザBテストライン
検査結果の見方
[C][S] 2本のラインが出現→コロナ抗原陽性
[C][A] 2本のラインが出現→インフルA型抗原陽性
[C][B] 2本のラインが出現→インフルB型抗原陽性
僕の場合、以下のラインが出現しており、SARS-CoV-2抗原陽性の診断となった。
[C]コントロールライン
[S]SARS-CoV-2テストライン
いつもならば、中山医院は診察室を出てから会計まで5分程度は待たされる。
ところが、結果が出て待合室に戻ると受付の方が領収書を手にして待機しており「0分」で終了。
待合室に集う老人たちの視線が痛い。
靴を履いていると、受付の方が「これから出られます」と門前薬局に連絡を入れる。
ほど近い門前薬局の前には、既に薬剤師が待ち受けていた。
僕が中に入ろうとすると「すみません、ここでお待ちください。できるだけ早く(薬を)作ってきますから」とまさかの店外待機。
ある程度着込んできたとはいえ、この待ち時間は寒かった。
処方された薬は以前「喉風邪」で掛かっていた時と同じもの。
感染からぎりぎり3日めだが、塩野義のゾコーバ* は無し。
元々中山医院では取扱がなかったのか。いずれにせよ医師と薬談義をかわす時間も雰囲気もなかった。
*ゾコーバ
国産で最初に申請し、緊急承認された新型コロナウイルス感染症の飲み薬
概要
・名称:ゾコーバ錠125mg(一般名:エンシトレルビル フマル酸)
・開発コード:S-217622
・メーカー:塩野義製薬
・経口治療薬
・ウイルスの増殖を抑制するよう働く(ファイザーのパキロビッドパックと同タイプ)
使い方
・医師の処方
・感染初期(3日以内から)服用開始 1日5回 5日間服用
【 ゾコーバ 時系列の記録 】
2022年2月25日
塩野義が厚労省に製造販売の承認申請 「条件付き早期承認制度」の適用を求める
3月25日
厚労省と塩野義が、S-217622の薬事承認後 100万人分を国が購入することで合意
5月20日
「緊急承認制度」施行
10月5日
塩野義がMedicines Patent Pool(国連が支援する公衆衛生機関)とのライセンス契約締結を発表
ゾコーバ S-217622が薬事承認を取得後、低中所得国(LMICs)117カ国に供給。そのロイヤリティの受領を放棄
11月22日
厚生労働省 薬事分科会・医薬品第二部会で審議 使用許可を可決。これを受けて厚労省が承認
11月25日
(パキロビッドパック処方実績のある)医療機関で使用開始
2022年12月13日
厚労省が追加で100万人分の購入契約を結んだことを発表
処方医療機関の限定解除
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