9ヶ月待った「街とその不確かな壁 愛蔵版」はあと一歩でカートからこぼれ落ちた
その日「村上主義者」の僕は病院に行った帰りにドラッグストアに立ち寄り、リピートしている飲食品をちょっと多めにカートに入れ、クレジットカードで決済すると帰宅を急いだ。
午前11時から「街とその不確かな壁 愛蔵版」の予約販売が始まるからだ。
*「村上主義者」の解説は
→村上春樹用語集 をご覧ください
「始まる」といっても、恐らく秒殺で終わるだろう。
なにせ日本じゅう、いや世界中の「村上主義者」が欲しがる品が、限定数たったの300なのだ。
宇都宮ブレックスのチケットが買えなかった時よりも、競争倍率でいえば想像が付かないくらいに高い。
今回話題にしている「愛蔵版」とは、2023年4月に出版された長編小説「街とその不確かな壁」の特別仕様本。
・村上春樹直筆サイン、直筆シリアルナンバー入り、特製ポストカード入り
・価格:11万円+送料880円
・限定300部
仕様
・無垢ブラックウォルナット製ブックケース
・特製真鍮プレート付き布装
・本文判型=菊判(152×218mm)
このような愛蔵版の発売は、村上春樹にとってはもちろん、日本でも初めての取組だ。
「直筆シリアルナンバー入り」だから「限定300」と言っておきながら500も1000も作ることはできない。
世界的人気作家である村上春樹の限定本が世界わずか300となると、その希少価値は計り知れない。
2023年6月1日
新潮社HP特設サイト上で「著者直筆サイン入り愛蔵版」の詳細が発表された。
発売予定は「2023年秋」
「村上主義者」でありコレクターの僕は、この日から特設サイトに情報がアップされていないかとリロードを繰り返す日々が始まった。
ところが来る日も来る日も情報は更新されない。
僕が見ていない別のページで既に発売済みなのではと新潮社のサイトもくまなく見たが、やはり何処にも情報はない。
そしてリロードが日課となってから6ヶ月の2023年12月22日。
愛蔵版のウェブページで"来春予約開始"が案内された。
そしてまた、来る日も来る日もリロードして3ヶ月の2024年3月2日。
予約受付開始日が告知された。
そして、迎えた2024年3月15日11時
「新潮ショップ」で予約開始
おひとり1冊まで、申込先着順、限定数(300)に達し次第、販売終了
11:00ちょうど、満を持してリロードすると「購入する」ボタンが表示された。
ここで画面遷移に手間取っていると"規定を超える数量"という主旨のエラーが返った。
カートを見ると、同じものが2つ入っていた。慌てて何度か押したのがカウントされたらしい。
すぐに数量を修正。
それでもまだ「購入する」が押せた。
(これは秒殺じゃないらしい、いけるぞ)
細かい文言は確認せず、速攻で肯定的にボタンをクリックしていく
「チェックアウトまであと少しです」
おぉ買えるのか、日々思い焦がれて9ヶ月、今ここに大団円か
「クレジットカードが拒否されました・・」
なんですと?
このカード、つい1時間前買い物で使ったのに・・
月額利用限度額をついさっき超えたのだろうか
慌てて、別のカードを持ってきて入力する
セキュリティコードをいれて「保存」
その瞬間に
「こちらの商品は販売終了となり、カートから削除されました。」
現実を受け容れられないというのは、こういう時のための言葉だ。
いや、万が一がある
QUEENが三次抽選に落ちた、その瞬間に四次先行で買えた時のように。
世の中、諦めなければ奇跡はある。
他の誰かが決済に失敗しているかもしれない、僕と同じように。
リロードすると、さっき「購入する」だったボタンは「品切れ」に替わりグレーアウトしていた。
すぐにヤフオク、メルカリを確認したところ、さすがに速攻出品はなかった。
「不正利用の可能性があるため、カードの利用を一部制限しました。」
クレジット会社より、先ほど拒否された時刻にメールが届いていた。
どうやら110880円という金額、その他何らかの理由。いくつかの条件を引っかけてコンピューターシステムが「不正利用くさい」と検知して拒否したらしい。
安全安心を守ってくれるのはありがたい。
ただ、9ヶ月待ち続けた品があと数秒で買えるかという時、あまりに間が悪い。
「村上主義者」としての徳がまだ積み足りなかったのだろう。
村上春樹さんから長編次回作が上梓されることを祈りたい。
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