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2024年4月 7日 (日)

川勝平太知事の辞任理由会見を聞き、リニアはいま1度迂回ルートを検討したほうがいいと想った

川勝平太静岡県知事が、第一次産業従事者が心を痛めそうな発言をしたという映像を見たとき「こんなわかりやすい不適切発言をするということは、リニア延期を受けて、そろそろ辞めたいのかな」と考えた。

その数時間後、NHK19時のニュースが冒頭に速報で「辞任の意向表明」を伝えた時は、明るい気持ちになった。これで「リニア建設が前に進む」と考えたからだ。

だが、翌日に行われた川勝知事の会見を見終えた時、僕が考えたのは「リニアはいま1度迂回ルートを検討したほうがいいのでは」だった。


■リニア静岡工区の概要
リニアの計画ルートには山梨、静岡、長野の3県にまたがる全長25kmの「南アルプストンネル」があり、その中間の「9km」が静岡県静岡市の北端部を通っている。
静岡県にはリニア駅はない。
静岡県の川勝平太知事が「大井川の水量減少」を理由に着工を認めていない。
静岡県を迂回するルートに変更した場合、品川-名古屋を40分で結ぶことはできない。


■時系列の記録

2011年5月
国がリニア中央新幹線整備計画を発表
国交省が中央新幹線の営業建設主体にJR東海を指名して建設指示
開業見通し2027年品川-名古屋 2045年名古屋-新大阪

2014年3月
川勝平太知事が「大井川の水量を減少させないための措置」を要望

2017年10月
「JR東海の誠意ある回答がない」として川勝知事が態度を硬化させる

2019年9月5日
愛知県大村秀章知事との会談で川勝知事が「2027年の開業目標は現実的ではない」と発言

2020年6月26日
川勝知事とJR東海金子社長が会談。6月中の着工が認められなかったため、メディアは「当初の2027年開業が難しくなった」と報道した

2024年3月29日
JR東海丹羽俊介社長が、静岡工区の工事に着手できていないことを理由に2027年の開業断念を公表

2024年4月1日
川勝平太知事が県庁新規採用職員への訓示で第一次産業従事者が心を痛めそうな発言
2024年4月2日
斉藤国土交通大臣が会見で「リニア中央新幹線は、3大都市圏を1つの圏域とし、日本経済をけん引するなど、重要な意義がある。静岡工区に関連して、2027年の開業目標が実現できないことは非常に残念なことだ」と述べた

同日
川勝平太知事が(辞意表明前に)立憲民主党県連顧問の渡辺周元防衛副大臣に後継を打診したと読売新聞などが報じた。

川勝平太知事が「6月議会をもって辞職する」旨の発言。NHK19時のニュースがトップで速報として伝えた

2024年4月3日
15:30 川勝平太知事会見 地上波NHK、ネット配信などで生中継された。
以下はその要旨。

新規採用職員の激励のなかに人の気持ちを傷つけるものがあったことを厳しく受けとめている。私と心を1つにしたいと思っている人の心を傷つけた。第一次産業の方たちの気持ちを傷つけたとすれば申し訳ない。申し訳ありませんでした。

●辞任の背景
大きな区切りを迎えているという感慨がある。東アジア文化都市の認定。富士山世界遺産認定10周年。一番大きかったのはリニア。
JR東海さんと真摯な対話を続けてきた。
昨年JR東海の社長が(丹羽さんに)代わった。いい方だ。それまで(JR東海は)2027年に必ず仕上げると言っていたのが、昨年12月に2027年以降になった。
リニア問題の解決は事業計画の変更しかない。丹羽新社長がそれに踏み出した。
3月29日の第2回モニタリング会議で静岡工区の事業計画が示された。
初めて時系列で示された。工期は13年はかかる。2037年になる。
昨日矢野座長が(県庁に)きた。私は「あとはお任せします」と言った。矢野さんを信頼している。この方に任せることができる・・・
県民の皆さんにお約束したリニア問題の一里塚を超えた。あとは矢野さんにお任せして。
矢野さんのリーダーシップ、丹羽社長は信頼できる。

質疑応答
●辞任理由は?
1.不十分な言葉遣いで人の心を傷つけた
2.リニアは国家事業だが、なかなか情報があがってこなかった。最低でも13年(と示された)これは私にとって爆弾的なニュース。矢野さんに「よくこれを引き出した」とお礼を言った。これで矢野委員会に仕切りを任せ、手を離れたなと
私が居ないほうが建設的な議論ができるかなと。
(知事4期めは県議会が)政局がらみになることに心痛めていた。県民のために早く辞めた方がいいと思っていた。


現状県政を踏襲する知事が誕生した場合、着工許可の不透明さは変わらない。
仮に2024年度中に新しい静岡県知事が着工許可を出したとして、品川 - 名古屋間の開業は2037年。工期13年のうちトンネル掘削に10年かかるという。
遅れれば遅れるほど経済的逸失利益が増す。それは誰も責任を負わない。ただ日本の発展が遅れるだけだ。
それならば、運行時間の速さを犠牲にしてでも、工期が短く何より地元が求めている「迂回ルート」(甲府から長野県茅野市・伊那市付近を通過するルート)を検討したほうがよいと想う。
達成感に満ちた川勝知事の話しぶりを見て、大いなる喪失感が募った。

超電導リニア体験試乗ブログ

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