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2024年7月31日 (水)

角田夏実の表情をみて僕の「五輪スイッチ」が入った

旅に出た時「あ、なんか今楽しくなってきたな」と想う瞬間がある。
僕はそれを「旅スイッチ」と名付けている。
夜が明けて眠たげな眼で空港に行き目的地へ向かう「移動」は好きではない。
「どこでもドア」ができて一瞬に到着すればいいと想う。
日常よりも面倒な行程のなかで、緊張や憂鬱に包まれていた気持ちが、雲が切れて爽やかな太陽が出るように晴れてくる。
そんな瞬間が「旅スイッチ」
スイッチが一旦入れば、あとは旅モードに入っていける。

スイッチは「旅」に限らない。
「営業」を仕事をしている人ならば、客先に行き説明がうまく行き、相手の表情が変わった瞬間に「営業スイッチ」が入るかもしれない。
「事務」を仕事にしている人ならば、あと回しにしたくなるような懸案のファイルを開き、手を動かしているうちに「事務スイッチ」が入るだろう。


僕には五輪についてもそれがある。
スポーツの三要素は「する」「見る」「支える」だが、地元開催でない限り僕ができるのは「見る」ことだけ。
応援しているV・ファーレン長崎の選手が出場するといったことでもない限り、予め強い関心が沸々と沸くことはない。

この言葉を初めて意識したのは「リオ五輪」
器械体操の内村航平が跳馬で「リ・シャオペン」の着地をピタリと止めた時だ。

私の記憶が確かならば・・
さだまさしが「生さだ」で言った。確かこんなふうに
「夜中にリオ五輪をなんとなく見ていた時、内村が(跳馬の)ピーンとジャックナイフが刺さるみたいに着地を止めた時、僕はシャキッと目がさえてスイッチが入った」

僕はただ「おぉっ」となっただけだったが、言葉の魔術師さださんが表現すると、ココロにすとんと落ちた。


東京2020」のスイッチはいつか・・
2013年9月7日(日本時間8日5時)
IOC総会でロゲ会長が「とっきょう」と開催地を発表した時だ。

この大会は「支える」カタチで関与することができた。それから大会が終わるまでのちょうど8年間「五輪スイッチ」はほぼ入りっぱなしだったことになる。
競技はほとんどリアタイできなかったので、競技で「五輪スイッチ」が入った記憶がない。


パリ五輪はいつもの五輪以上に関心がもてなかった。
3年前「東京2020」があんなカタチになってしまったからだ。
「支える」活動で得た思い出、できた友達は宝物だ。
だが大会としては悪意に嬲られた気がしてならない。

ネットでは圧倒的に「否定」が強い。
否定する側には失うものがない一方「注目」という果実があるからだ。
「肯定」は失うものがあるから声を上げづらい。僕もその一人だった。
目の前の五輪を無事終えることに集中していた。「否定」の声にびくびくしながら。
そして、無事に終えることができたと想ったら不正ニュースの嵐。


三回戦で巴投げを決めた直後、試合前あれほど笑っていた角田夏実はクールそのもの。ニコリともしなかった。
敗者を想えばそこでガッツポーズや笑顔は相応しくない。
まさに「柔道」を体現する角田の表情をみて僕の「五輪スイッチ」が入った。

金メダルを首から提げ大観衆に包まれた阿部一二三が「東京では無観客だった」と言った時、そういえばそうだったと想い出した。
選手村担当だった僕には、その実感がなかった。
映像を見ると、あたかも観客が入っているかのように見える国立競技場の椅子にもその一因があるかもしれない。


2021年5月7日(金)
諫早で聖火ランナーを務めたジャパネットたかた創業者髙田明しゃちょーが、走り終えてこう言った。

(原文ママ)
オリンピックに関していろんな意見が飛び交ってますが、皆さんの応援していただく笑顔をみて、これなんだよね、スポーツのよさとか皆さんが求めている平和は。そういう気持ちが伝わってきて幸せな気持ちを味わうことができた。よかったです。

世界じゅうの皆さんが一年以上コロナで心身ともに疲れているなかで、唯一これだよなと感じたんじゃないんでしょうか。
コロナと戦っていくエネルギーを感じて応援してくださったんじゃないかと、そういう気持ちがどんどん伝わってきましたね。
皆さんのお顔を拝見していて、これは(五輪に)反対とか賛成じゃないなと。

僕自身サッカー(V・ファーレン長崎)に関わってきた。
泣き笑い、そういう姿をみてきて、次のエネルギーになるのがスポーツだと思ってきた。
ビジネス世界にもいました。売上利益も大事だけど・・
このようにスポーツ、ソフトパワー、日本にはもっと必要なんじゃないかなと思いました。
国にも「スポーツ立国ニッポン」というものを、これを機会に強く打ち出してほしいなという気持ちで(聖火リレーに)関わりました。

スポーツは最高です!
私の知り合いの方も闘病しながら、勝ち負けじゃない、見てるだけでメチャクチャ元気になるんですという80代の方とよくお話します。

五輪はやるからには成功させて欲しいし、それは国の役割と思いますが、私たちはスポーツを通して日本から世界を元気にしていきたいと思いますね。

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