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2024年12月 7日 (土)

清らかなスポーツマン集う、ゴミが落ちていない湘南国際マラソン

2024年12月1日(日)
トラスコ湘南大橋」の欄干から青い空と富士山が見えていた。
この小さなプレートで果たしてネーミングライツを買った割に合うのかと思いつつ、遮るものがない青空と15度と表示された気温は、ランナーにはキツいかなと想っていた。
 
その日、僕は湘南国際マラソンの給水ボランティアだった。
 
この大会のボランティアは5月頃に募集が行われており、ここ3大会は東京2020の「選手村仲間」チームで参加している。
まさか、この日に応援するチームの大切な試合が入るとは想わなかった。
(本来シーズンは終わっているはずだった)
とりまとめのリーダーが「すみません。都合が悪くなりました」というわけにもいかず、4時台に起きて予定どおり茅ヶ崎へ向かった。
 
 
東海道線はガラガラ。僕はお気に入りにのクロスシート4人掛けを1人占めできた。
「もうランナーの皆さんは(二宮に)行った後なのだな」
そう想っていたが、そうではなくて戸塚あたりから一斉にランナーが乗ってきて、クロスシートはいっぱいになった。
 
となりに座ったサトウさん(名前不詳)の左シューズに計測タグが結わえられているのをみつけ僕は声をかけた。
「きょう、走られるのですね。僕は給水します」
サトウさんは気さくに応じてくれた。しばらく、湘南国際マラソンオリジナルボトルがメルカリで4,000円で売られていることや、2年前の大会でバナナが大変美味しかったらしいという大会に纏わる話しに花が咲いた。
 
僕が茅ヶ崎で降車する時、サトウさんは立ち上がり「今日はよろしくお願いします」と握手してくれた。
これまでにも、出走するランナーに話しかけたことはあったが、握手を求められるのは初めてで、もしかするとこの何気ない会話が、走る前の緊張を和らげ、少しの活力になったのかなと喜んだ。
 
 
湘南国際マラソンはコロナ禍を経て再開した2022年の第17回大会より「マイボトル補給システム」によるマイボトルで走るマラソンに生まれ変わっている。
ランナーは400mlの水量を携行できる容器を持参。
給水所は200か所設置されており、水ボトル、スポーツドリンク等ジャグの蛇口を自ら捻ってボトルに注ぐ。
エイド数最大級といわれる横浜マラソンが18か所だから、400か所というのがいかに多いかがわかる。
 
この世界初の取組により、初回の第17回は(前回比)8,000kgのゴミ削減を達成した。
本来、給水ボランティアの主な仕事は「紙コップ準備」「ゴミ回収」
湘南の場合、紙コップは存在しない。準備は給水所にテーブルを置いて、ボトルとジャグをセットするだけ。
ゴミ箱は設営しない(コース上にゴミ箱はない)
仕事量が少ないので、1給水所あたりのボランティアは1~2人。
いつも以上に「応援」に力を注げる。
 
 
ちなみに前年大会で給水担当した時は「1人」今回は「2人」だった。
去年は「横浜マラソン」「湘南国際マラソン」共にボランティア不足が顕著で、人の手薄感が垣間見えた。
ところが今年は両大会ともに、手厚い人がアサインされていた。
どのような策を打ったのか興味深いが、僕らにはわからない。
(想像でものをいうのは控える)
 
 
ボリュームゾーンのランナーが一区切りした頃、サトウさんがやってきた。
彼はマイボトルに水を汲みながら「暑いです」と言いながら楽しそうにみえた。
 
往路のランナーが過ぎて撤収が終わると、しばしの休憩。
「選手村仲間」とお茶をしながら、ボランティア談義に花が咲く。
たいていこういう場合、その部署の運営やリーダーさんが話題になる。
 
休憩後は復路の給水所へまわる。
*湘南国際マラソンは1WAY往復コース
復路もサトウさんが立ち寄ってくれた
背中を叩いて「がんばって」と押し出す
何歩か走ったあと振り返って言った
「バナナ、ふつーでした」 ^^;)
2年前の大会で仲間たちが「生涯で一番美味しかった」と口を揃えた伝説のバナナの
謎はまだ解けていない。
 
しばらくすると、いつも横浜と湘南のコース上で会うV・ファーレン仲間が通り過ぎた
「V・ファーレンがんばれ!」と声をかけると、振り返って手を振ってくれた。
彼も内心ドキドキしながら、目の前の1歩に集中している
 
最終ランナーが通り過ぎる頃には、応援するチームの試合が始まっている。
僕はそのことを忘れることにした
最終ランナーが往くとコースに出て、家から持ってきたレジ袋にゴミをひろう・・・
それが「コース監察」「給水」のお約束なのだが、ゴミが落ちていない
この大会では、時間帯別にゴミ袋を持った「エコランナー」が走っていて、皆さんがひろってしまったのだ。
それでも、目を皿のようにしてごく小さなゴミを探すが、ない。
 
僕の場合、マラソンを走っている時、摂り終えたスポーツジェルの包装などはゴミ箱に捨てたいと想う。
だが、ここを走る皆さん、ジェルを摂るとそれをポーチに仕舞って走り出して往った。
 
来季、スポーツであちこちの町に出かけた時、自分もこうありたいと想う
湘南国際マラソン、素晴らしいものを見てしまった。

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