東京マラソンスポーツボランティアの歴史 -後編-
■2017年
第11回
ボランティア定員:11,000人
従前の「先着巡」から「抽選制」へ移行
「VOLUNTAINER」が機を同じくして始まる。
VOLUNTAINER
「VOLUNTEER」と「entertainer」を掛け合わせた造語
正式名称:東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブVOLUNTAINER
読みは「ボランテイナー」だと想うが「ボランティナー」だと言う人もいる^^)
2016年10月6日
東京マラソンのボランティア登録制度「VOLUNTAINER」の登録受付開始
11月6日~11月25日
VOLUNTAINERのメンバーが応募
先着順→(定員を超えて)抽選となった
リーダーは登録制となり、登録者がエントリーできるようになった
VOLUNTAINERにより、東京マラソンボランティアは「第3の時代」に移行した。
■2018年
第12回
ボランティア定員:11,000人 抽選
■2019年
第13回
ボランティア定員:11,000人 抽選
■2020年
第14回
VOLUNTAINERの役割に「リーダーサポート」が加わった。
役割はリーダーを支え、大会スタッフと現場をつなぐこと。
他の大会でいうところの「ブロック長」的な役割といえる。
VOLUNTAINER"中の人"は「リーサポ」と呼んでいる。
初めてボランティアオリジナルグッズが(ネット通販で)販売された
コロナ禍により大会がMGCファイナルのみに縮小
既にアサインされていた11,000人から(リーダークラスの)800人に削減
■2021年
第15回
2020年大会従事予定者をアサイン(役割付与)
大会が延期され、この年は開催されなかった
■2022年
第15回
東京マラソン2021として開催
東京マラソン2020従事予定者をアサイン
体調管理アプリにより2月24日から大会をはさんで3月20日まで体調報告が求められた。
■2023年
第16回
2019年大会以来の"通常"開催
外国人参加者が激増して英語対応が増えた
■2024年
第17回
定員:10,000人
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行(2023年5月8日)を受け、声出し・マスク等への言及がなくなった
■2025年
第18回
定員:10,000人
東京ビッグサイト内の受付会場が(EXPOを開催する)南展示場から会議棟に代わった。
当日背負うナップザックがマチ付きになった(細かい)手指消毒液(ビオレu)の配布は継続
2024大会から参加している「Team DMHCランナー」を応援する取組としてマクドナルドハンバーガー1個無料券が配られた。
大会は最高気温☀のもとで行われた。ランナーの皆さんにとって過酷であることはもちろんだが、ボランティアにも過酷な条件となった。
ランナー向けにはスポンサーから飲料が用意されるが、ボランティアには水一滴すら渡されない。近くにコンビニや自販機がない場所(皇居に近いフィニッシュエリアなど)では、お昼には水が尽き困った人がいたという。
僕は東京マラソンボランティアを「3つの時代」に区分している。
1.2007-2009 笹川財団 時代
2.2010-1016 東京マラソン財団 時代
3.2017-現在 VOLUNTAINER 時代
VOLUNTAINER時代に移行してからは、より実績(積みあげ)を重んじる階層構造となり、国内では他に類のない安定した質と量のボランティア組織となった。
リーダーは講習を受け実践を積んでいる。
ただ、この仕組みが成立するのは「東京マラソン」が人を吸い寄せる人気大会であるがゆえ。
東京マラソン財団がプロデュースする「長崎ミュージックマラソン」において、どのようなボランティア活動が展開されるか興味深い。
一方では弊害もある。
階層構造が固定すると"できあがった組織"が生まれる。
組織の悪しき部分である"内向きの"状況が生まれやすい。顧客(ここではランナー)満足、それを前面で担うボランティアの満足よりも、組織の上意下達しか通じないという世界観。
また、スポーツボランティア組織にありがちなことだが、選考が「実績」「情意」に偏り「適性」の比重が下がる、それは一般参加者の満足感低下につながる。
言葉遣いが横柄、フレンドリーさに欠ける、上から一刀両断のような姿勢の人が上にいる組織を想像してみてほしい。
それでも、東京マラソンは参加者が集まってしまうので、見逃されがちだ。その組織のなかで生き残るためには、そこに迎合するしかないというのはサラリーマン社会に似ている。
おわり
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