手術を受けながら先生を応援する
【右眼手術】
数年前、脳腫瘍手術の時は(眼鏡をかけていたせいもあって)広い手術室内を見渡し、手際よく準備を進める皆さんにむかってニコニコと愛想を振りまいた。
いやいやすみませんね皆さん、僕のためにお時間いただいて・・そんな感じで
まるで、行列の廻転寿司店でテーブルにたどり着いた子どものように。
白内障手術室の中央には歯医者さんにあるような椅子
事前の想像では、ベッドのようなところに寝るのかと思っていた
僕が座ると藤岡先生が「倒しますね」と言って、背もたれがリクライニングしていき 180度よりちょっと頭が低くなった。
せめてまっすぐくらいがいいな・・
と想ったが「これが先生がやりやすいポジションならば、そちらが優先だ」とすぐに考え直した
「目をつぶっていてください」と言われたと思うと、大量の消毒液がまさに浴びせられた。
見えているわけではないのに、それは茶色の液体だと僕には感じられた。
眼の周りにシートが被せられ、一旦視界が真っ白になった後、そこから術野を確保するために目のまわりが開ける
それから、シートとの隙間を塞ぐテープが眼の周りに貼られる
態勢が整うと眼に強い光が当てられ、先生が「光を見ていてください」と言って手術が始まる
「ただいまより水晶体再建術を始めます」
といった開会宣言はなかった。なくてもいいけど
藤岡先生は、その特徴(特長でもある)として、事細かに注意や患者の心がけを言ったりしない
「手術の間、動いてはいけない」
ということは、この1年間の情報収集で学んでいたが、今回の手術に際しては特に言われていない。
それによって、僕は意識過剰になることなく、目の前の1分に集中することができたと想う。とてもいいことだ
強い光はちょこちょこ移動するので「これって目で追うんだよな」と思いながら目で追っていく
それに対して先生はなにも言わないので、そのまま追うことにする
レーザー装置らしき機械が起動する時は、不思議なリズムの音が鳴る。あ、そうそう。京急電鉄の電車のような音で
京浜急行の電車が発車する際「ファソラシ~」と音階を踏んでいるような音がするのは、ドイツ製シーメンス社の電車起動装置「GTO素子」の音。通称ドレミファインバーター。その車輌は2021年に引退した。
ちゃりーん
金属の道具が床に落ちる音がした
「すみません」
看護師の一人が言う
先生はそれに反応しない
「まさか、拾ってそのまま使う事もあるまい」
と僕は動じない。一瞬びびったけど
さっきからずっと「ピッピッ」と発信音が鳴り続けている
メスが入れられた後、ああ今、濁った水晶体を取り出しているんだろうな・・という時間帯
この部分の時間は、そこそこ長いんだけど、ここでしっかり取り切ってもらわないと「術後の見え方に影響する」とある医師が語っていた
「先生頑張ってとってください、ここは時間かかってもいいから。これから一生のことだから、時間かかっていいや」
と思いつつも、やっぱり長い
「レンズ出してください」
藤岡先生がいう。僕は四角い紙の箱を想像する。そういうパッケージを見たわけではないが、恐らくそういう箱だろうというイメージ
結局、僕は「オデッセイ」と書かれたパッケージをこの目で見ることはなかった。
まぁ、A5ランクのステーキ屋じゃないんだから、別にみなくてもいいんだけど・・
正直いうと、後で箱くらい見たかった
| 固定リンク | 0
「心と体」カテゴリの記事
- 幸せになるヒント「自信がなくならないのが、私の最大の強みです」橋本環奈(2026.03.11)
- 視感透過率が異なるサングラス「2本持ち」が必須(2026.01.23)
- 細かい事が気になるのが悪いクセ 白内障手術後は「気になりどころ放題」(2026.01.22)
- "ぼんやり違和感"から"(復活)ドライアイ"へ主役交代(2025.11.26)
- 左眼の「ぼんやり違和感」は一進一退(2025.11.25)

