2023年2月 1日 (水)

石原慎太郎さん 一周忌

2022年2月1日、作家であり東京都知事を務めた石原慎太郎さんが亡くなった。
石原さんの功績が数あるなかで、僕が特に記憶していることが4つある。


【1】首都移転を防ぐ

メディア露出が少なく、あまり知られていないが、日本の首都*は東京から何処かの地域へ移転することが法律で決まっていた。
日本は法治国家なので、ものごとは法律の後ろ盾を必要とする。
法律に規定されたことは、そのとおりに遂行されなければならない。

*日本の首都は法制化されていない。従って正式な首都はない。東京は事実上の首都

法律で決まった移転の受け皿として、全国で4地域が名乗りを挙げ「首都招致合戦」を繰り広げるなか、唯一首都移転反対を唱えたのが東京都。
石原さんは都庁内に専門チームを置き、自らも「国会等の移転に関する特別委員会」に参考人として出向き意見を述べた。
この特別委員会に出席した参考人の中で、首都移転反対を述べたのは石原さんと僕の2人だけ。
石原さんは僕を知らないだろうが、僕は首都防衛の同士だと勝手に想っている^^;)


【2】尖閣諸島の購入

1895年
日本(明治政府)が領土として沖縄県に編入

1978年
石原慎太郎衆議院議員を中心とするグループ(青嵐会)が魚釣島に灯台を建てた

1992年
中国が領海法を制定。尖閣諸島を中国固有の領土とした

2012年4月16日
石原慎太郎東京都知事が東京都が尖閣諸島の土地を所有者から購入すると発表
尖閣諸島購入のために東京都に寄せられた寄付金は14億円を超えた

2012年9月
政府(民主党 野田政権)が地権者から3島(魚釣島、北小島、南小島)を購入した後、国有化を閣議決定


【3】マラソンブームの発端となる東京マラソンを立ち上げ

2003年に東京マラソンを構想を発表。東京都と日本陸連の協力で2007年に実現した。
東京マラソンの成功。特に商業的な成功により、全国の政令市がこれに続いた。
長年、あまり「陽が当たらない」レースを走っていたランナーには「陽の当たる」レースが増えた。
それまで500mすら走ったことがなかった人も、42.195kmを目指して走り始めた。
運動不足の人が減る→病気が減る→健康保険の負担が減る
というのは自明であり、市民ランナーの数を増やした石原さんの功績は大きい。


【4】東京2020(オリパラ)招致

2005年、2016年夏季大会の招致を表明(リオに敗れる)
2011年、スポーツ基本法成立を受けて2016年夏季大会招致を表明
国政復帰のため2012年に都知事を退任。猪瀬直樹氏に後を託した
2013年、招致決定

安倍晋三さんが亡くなった時、テレビ各局は五輪招致にまつわる映像を使っていたが、石原さんが亡くなった時、五輪招致の発起人的存在であり功労者であるという論説は見かけなかった。


現代社会では、批判・評論する者が「説明責任を果たせ」「エビデンスを示せ」と、小うるさい。
非難を恐れず、嫌われる勇気を持つことが難しい時代だ。
確固たる信念に基づき、明快な言葉で端的に話す石原さんは、とても清々しかった。

| |

2022年7月11日 (月)

定着した期日前投票と夏の風物詩

「ここに日付を書いてください」
僕が投票用紙を渡すと、ほどよく削られた鉛筆を一本渡された。この鉛筆はすべての投票を終えるまで「マイ鉛筆」となる。
促された通り、裏面の期日前投票記入欄に日付を書き込む。

それ以外の項目は既に投票用紙が郵便で届いた時に書き込んであった。
期日前投票制度は投票日より前でも、本番の選挙とほぼ同じ手順で投票できる制度として2004年7月の参院選より導入された。

その際、期日前投票者は716万9778人。導入前の前回改選時(当時は不在者投票のみ)を140万人上回った。

当初は「きじつぜん」「きじつまえ」と読み方が揺れていたが、今回の選挙ではどこの放送局も「きじつまえ」で統一している様子。
総務省は「読み方はどちらでもよい」という見解を示している。


投票用紙の裏面には当初も今も(期日前投票する理由として)該当する事由を問う欄があり、仕事、レジャー、病気などから1つ○で囲むようになっている。
「投票日は投票所が混雑するから」が本当の理由だったとしても、該当する欄はない。生真面目な人はいつも、この選択で心をいためているだろう。

2022年4月からの日課となった「掘潤モーニングFLAG」ではZ世代のコメンテーターが「今回(期日前投票は)手ぶらでも行ける。免許証なども要らない」と語っていた。
テレビで言うのだから、それは本当なのだろうが、驚いた。
今回の参院選では、鉄道の駅や大学などでも期日前投票所が開設されるという。投票率を上げるため「できることは、なんでもやる」という姿勢は好ましい。

僕は投票用紙を忘れるほど不注意ではないし、わざと忘れて、どんな本人確認をするのかをレポートする趣味もないので、それは、他の誰かに任せることにした。

この制度が始まって以来、投票機会に便宜は図るものの、本来の投票機会(投票日)に臨まない理由は聞かせてもらうというニュアンスを感じてきた。
だが、今回の報道を見聞きする限り、そういう「これ本当はダメだからね」のニュアンスが消えていると想う。
それは、とてもよいことだ。
次回からは事由の選択肢に「投票所の密集を避けるため」を入れてもらいたい。

ちなみに「参院選 投票所混雑状況 自治体名」で「Google先生」に尋ねてみたが「今の時間は混雑しています」といった情報はみつからなかった。
NHKの報道によると、一部の自治体が(過去実績を元に)混雑時間帯を公表し、分散投票を呼びかけていたようだ。

NHKの報道によると、第26回参院選の期日前投票者はおよそ1612万人。
2007年の導入初回と比べて2.2倍に増えた。

 

2022年7月10日に投開票された第26回参議院選挙は、選挙権が18歳に引き下げられて3度めの参院選。

初めてのこととして、コロナなどの感染者が郵便で投票できる「特例郵便等投票」が始まった。

改選数:124
(これに加えて神奈川選挙区欠員1の選挙もあわせて行われる)
選挙後参議院定数:248
前回同様、選挙区 74(1増)比例50(2増)


投票終了の20時に放送局が、出口調査などを元に情勢予測を打ち出すのは現代の風物詩。
前回と今回「NHK 20:00」の情勢予測は以下の通り。

■2019年 第25回参院選時
自公で改選議席過半数「63」確実(67~77)
憲法改正に必要な議席「85」届く可能性も
自民改選65→「55~63」窺う情勢

■2022年 第26回参院選時
自公で改選議席過半数「63」確実(69~83)
改憲4党で(非改選とあわせて国会発議に必要な総議員の)3分の2(166議席)確実
自民改選55→「59~69」窺う情勢

選挙講座選挙用語集

| |

2020年9月22日 (火)

平穏とは

2020年8月28日、安倍晋三首相の辞任表明を受けてから一両日、誰がどのようなことを言うかを追いかけた。
【1】想像通りというものもあれば【2】意外な印象を受けたものもある。
ここではそれをいくつか載せてみたい。

【1】想像通り
■橋下徹
「(会見の報道各社質問で)お疲れ様でしたと1人の記者しか言わないが、あんなものなんですか(メディアは)厳しく言うところは厳しく言えばいい。7年何ヶ月総理されて病気でこうなっていたというところに関しては お疲れ様でしたと言ってもいい」
辞任会見直後 CX「Live News it!」出演

「まずはお疲れ様」だけでよいのではないか。非難したい人も、とりあえず苦労を労うのが日本人らしさではないか。同種の発言は他には見つからなかった。


【2】意外な印象
■拉致被害者家族 Aさん
「安倍首相は拉致問題を重要課題に挙げていた分、失望は大きい。何もかも中途半端のまま、また投げ出すのか。安倍首相で結果が出なかったので、政治にはもう期待できない気がしている」
8/28 毎日新聞WEB版

安倍首相が最初に辞任した時は組閣直後というタイミングだったこと。何より「病気であるという本当の理由を伏せていたこと」で投げ出したと言われた。それは言われても仕方の無いことだった。ちなみに続いて総理になった人もあっさり投げ出したが、その後、表舞台に立っていないので大半の人は忘れて居ると思う。
ただ、今回は前回・今回と健康面が辞任理由であると明らかにしているのに「また投げ出す」と言う表現はきつい。インタビュアーに誘導されたのだろうか。

拉致問題については小泉首相が風穴を開けて、安倍首相も尽力した。それなのに一番非難されたのはこの2人。おかしいと思う。

何もしなかった人は非難されず、何かをやった人は非難される

何かを為した人は責めやすい。目の前に具体的な「ツッコミ処満載」だからだ。何もしていない人はツッコミ処がない。だから非難されない。
(非難している人がいてもメディアは取り上げない)

それを経験で知っている人は、何もしない
政治家だけではない。公務員もサラリーマンもそうだ
取り組む過程で非難されそうだから、やった方がいいと思っているけれど、やらないでおこう
そう考えている人は少なくない。
そういう風潮を助長するのが、こういう「ツッコミ処」だけに反応し、出た杭を打つばかりで為すこと・為そうとすることを認めない人たちだ。


【2】意外な印象
■立憲民主党 枝野代表
「こうした理由でおやめになることは大変残念であろうと思う」
辞任会見当日NHKニュース7

NHKがどう編集したかがわからないので、コメント全体はわからないが、放送された短いコメントを聴く限り「場を見た」発言である。それでは、どのようなコメントが想像どおりかというのが次のもの。

【1】想像通り
■立憲民主党 石垣のりこ参院議員
「総理といえども「働く人」。健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します。 が、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです。その責任を問い政治空白を生じさせないためにも早期の国会開会を求めます」

「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」が不適切として枝野代表に注意を受けて、その日のうちに以下のtweetをあげた。

「確かにこの箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします」

目の前で起きていることにリアクションしたい気持ちは誰にもある。耳を傾けてくれる人がいれば、思いついたままを自分の外へ出してしまう人もいる。誰もなにも聞いてくれないということを平穏と呼ぶ。

| |

2017年12月31日 (日)

トランプvs朝鮮民主主義共和国

しらべるが選ぶ2017年の5大ニュース

第1位
トランプvs朝鮮民主主義共和国(以下、北朝鮮)

2017年1月に就任したドナルド・トランプは歯に衣着せない。
過去の行動や公約の是非は置いて「わかりやすさ」という点で言えば稀代の政治家である。


日本でわかりやすい政治家と問われたら「稲葉修」を挙げる。
子どもの頃、学校から帰りカバンを置くと宿題もせずに国会中継を見ていた。
それは、稲葉法務大臣を見たかったからだ。
初めて彼を見た時、誤解を恐れずばか正直な受け答えをする姿に目が点になった。

それは、僕にとって初めて見る「ずるくない大人」だった。
もちろん、身の回りには父と母をはじめ、ずるくない大人はたくさんいたのだが「守るべき立場・組織」があり、それを攻撃されやすい立場にいる人のなかで・・という前提でだ。


そのわかりやすさは、異質のものだが、トランプの「わかりやすさ」そのものは否定要件ではない。
「わかりやすさ」は話が速い。
だから「わかりやすさ」は他人から時間を奪わない。
だが「わりやすさ」は、攻撃にさらされて不利だ。
多くの人が日々の平穏を願う。
だから、日本人の多くはわざと「わかりにくく」人に接している。
平穏を手放すことは勇気を要する。


トランプvs北朝鮮の舌戦は、わかりやす過ぎてはらはらした。

極東が戦地となっても、アメリカは遠くにある。
かつて湾岸戦争時、日本国民がそうであったように、ニュースでテレビゲームのような戦争を見物してある人は偽善者となり、ある人は快哉を叫ぶ。
だが、日本は戦地に近い。

基地がある町の住民、日本近海に出漁する漁業重視者にとって、爆薬が弾ける映像をモノクロの記録映像ではなく、臨場感溢れる立体動画で見る恐れが、深海を漂う難破船のように、心に静かに沈む日々


それは「地政学的リスク」というらしい。

武力衝突の可能性が高まり、株式や商品相場の暴落が懸念されること
(しらべるの定義)
主に証券用語であり、株投資をしていない人の目には滅多に触れない。


2017年3月、アメリカがシリアを爆撃。北朝鮮にも軍事圧力を高めた頃から、相場関係者が使い始めた。

9月3日に北朝鮮が核実験を行ってからは、軍事行動の憶測がピークとなり、東京証券取引所の株価は「緊張」と「安堵」を繰り返した。
緊張が高まれば地政学的リスクに「弱い」業種が下がり、資金は「強い」業種へ向かった。

■強い
エネルギー資源
素材・化学
情報通信サービスその他
運輸物流
食品

■弱い
鉄鋼・非鉄
不動産
金融全般


トランプと北朝鮮がメディアを舞台に繰り広げる「舌戦」は、わかりやす過ぎて、危機感がすっかり麻痺してしまった。


今年も「しらべる」「しらべるが行く!」を読んでいただきありがとうございました。
2018年も時々読みにきてください。お待ちしています。
よいお年をお迎えください!

| |

2017年12月30日 (土)

至極まっとうだった「排除発言」

第2位
総選挙 与党が議席を伸ばす

10月22日(日)
第48回総選挙

インターネット選挙運動が解禁された前回(2014年12月)との違い
■10議席が減らされて衆議院定数が465になった
小選挙区が295→289(6減)
比例選挙区が180→176(4減)
■97小選挙区の区割見直し
■選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられた


時系列の記録
9月初旬
安倍晋三首相が解散の意向を固めたと報道され始める

9月25日
安倍晋三首相が衆議院解散を表明「国難突破解散」と命名した

9月28日
衆議院解散
民進党(旧民主党)が事実上の解党

10月10日
選挙公示

10月11日
期日前投票開始

10月21日
台風21号の到来に備えて、兵庫県南あわじ市、徳島県牟岐町、高知県宿毛市などの離島で繰り上げ投票が実施された
期日前投票者21,378,400人(過去最高)

10月22日 (日)
投開票
20:00投票終了時、NHKGは「自公310議席うかがう」とした。
結果は自公で313
自民は改選前議席と同じ284議席を獲得。
定数10減を加味すると議席拡大となった。



第48回総選挙から遡ること3ヶ月前に行われた都議会選挙
改選前議席最多の自民党が議席を減らし「都民ファーストの会」が第一党となった。

民進党が都民ファーストの会を母体とする「希望の党」に合流するという策に出ることは、安倍晋三の読みにはさすがに入っていなかっただろう。
「与党は解散判断を誤った」という空気を救ったのが、小池百合子の「排除します」発言だということになっている。

小池百合子が民進党員のうち、思想傾向が異なる政治家の合流はお断りするという「排除」発言。
政治家として、まっとうなものだ。
何が悪いのか、わからない。


ところが、メディアはあれだけもてはやした小池百合子を一転して叩く。
排除発言はいったい、どれだけの有権者の耳に届いていただろう。
どれだけの有権者が、それに嫌気をさしただろう
すべてはメディアの「手のひら返し」だ。

そもそも、自分ファーストの問題提起を連発して迷走する都知事を、都議会選挙であれだけもちあげたのは誰だったのか。

| |

2017年6月22日 (木)

自分ファーストの会

政治家はパブリックサーバント
公僕でなければならない

あるいは、政治家はライフワークの政策を持たなければならない
それがない政治家は「職業政治屋」である



かつて、名古屋市長 河村たかしは「減税」という「公僕の起点」をかざし「リコール」という手法で議会勢力を塗り替えてみせた。

かつて、衆議院議員 小泉純一郎は「郵政民営化」というライフワークを掲げ「抵抗勢力」を際立たせる手法で、その本懐を成し遂げた。



公僕でもなくライフワークもない政治屋が「抵抗勢力」という手法だけ真似、議会勢力を塗り替えようとしている。
そんな「自分ファーストの会」に我田引水してはいけない。

「盛り土」という本来、なくても大勢に影響ないものを、あたかも食の安全を守る生命線であるかのように祭り上げ、鬼の首を取ったかのように論い(あげつらい)政争に仕立てた「自分ファーストの会」は狡猾だ。

かつて、小泉が挙げた「抵抗勢力」は確かに、郵政族の抵抗勢力だった。
だが、盛り土、豊洲移転決定といったプロセスがあたかも「歪んだ都政」だったかのような「印象操作」は、もはや手法とは言えない。



それでも気まぐれは起こる
その進撃を停める者はいない
絶望的な断絶

どうしたもんじゃろのぅ

今はこの不明快な混沌を「とと姉ちゃん」の常子がよく嘆いたように、穏やかなため息をついて見守るしかない

| |

2017年6月10日 (土)

橋下徹の話しが心を捉える理由

第一部決起大会が終了すると「マスコミ」は退席を求められた。
そして予定時間より5分早く、橋下徹が登場した
前日は別の会場で「1時間40分で話した内容ですが今日は1時間しかないですから」

「皆さん本当に変わってますねぇ
日曜の朝から政治の話しを聞きに来ますかねぇ」

もっともだ。おおいに同意する

「今日は政党選挙の話しはできません
つまらない地味な話しばかりで、面白おかしいところはありません。聞くのは五分が限界だと思いますよ」

そうなのか・・
まぁ何でもいいや
たまには、そういう堅い話をする橋下徹を見るのもいいじゃないか

彼は時折、聴衆に問いかける
「東京都の東京長期ビジョンを知っている方、どれくらいいますか?」
ほとんど、手が挙がらない
東京都庁のウェブページに載っているらしいが、見たことはない

別に東京都側の周知不足ではない
メディアが取り上げないからでもない
我々、有権者に「関心がない」からだ

無関心な有権者が相手だから、ピコ太郎と踊ったり、キャッチーなフレーズで政策をデコったりする政治家が幅をきかす。
要は嘗められているのだが、嘗められても仕方がない。
事実、そういう人を選んでいる。


講演は予定時間を前後5分ずつ延ばし70分
「聞くのは五分が限界だと思いますよ」と脅した割には、示唆に富み、知識の在庫が整理整とんされるような時間だった。
これを「おもしろい話し」と呼ばない道理はない
漫談を聞きに来たわけではないので、可笑しくなくてよかったのだが、十分に可笑しかった。


書籍は滅多に会えない人の話を聞くのに、とても有効な手段だ。
だが、人の話はこうして直接聞くのが最もコンパクトにまとまっていてわかりやすい。
(話すと逆に意味不明な人も多いが)

「つまらない話しだ」と言っていたが、十分「つまる話」
できれば、また聴きたい
テレビに出ているのは知っているが、あれは無理だ
テレビ番組では魑魅魍魎(コメンテーター)がセットで付いてくる。
あれは、精神衛生に悪い。


橋下徹の話しを聞きながら考えていた
彼の話しはなぜ、ここまで人の心を捉えるのか
恐らくそれはこういうことだろう

橋下徹は
正しい抽象化ができている
本質をとらえ
そこに対しては徹底的にマニアック
一方、不要なことには、首を突っ込まない、手を出さない


そうありたい
不要な課題から降りなければならない

おわり

| |

2017年6月 9日 (金)

日曜の朝 橋下徹を聴きに行く

たまには日曜の朝、橋下徹の話しを聴くという試みも悪くないな
そう思った僕は「橋下徹講演会」の抽選に申し込んだ
定員は1,000人
結果は当選で、入場券が送られてきた


■橋下徹の略歴
橋下徹は「政治家を引退」しており、自らを「私人」と呼んでいる

1969年6月29日
生まれる

2008年1月
大阪府知事選挙で当選

2011年
大阪府知事を辞職。大阪市長選挙で当選

2012年
9月12日、国会議員の合流を得て政党要件を満たし、国政政党「日本維新の会」を設立

2012年
第46回総選挙に多数の候補者を立てた
「みんなの党」と政策協議
「太陽の党」石原慎太郎と個人的に連携を模索

2015年5月17日
住民投票で「大阪都構想」が否定された

2015年12月
任期満了に伴い大阪市長に立候補せず退任「政界からも引退する」とした



東京マラソンの倍率は10倍だが、果たして橋下徹の倍率がどれだけかはわからない。
ただ、東京マラソンの場合、応募したことを公言することに抵抗はない。
当たると誰もが「スゴイね」と言ってくれる。
だが、橋下徹の場合、応募したことすら公言するのがはばかられる。

既に政治家を引退しているとはいえ「橋下徹を聞きに行く」と言えば、ある一定の人達は「motoさんって政治活動もするんだ」と受け取るだろう
日本では「政治活動」をする人は怪しい人という概念がはびこっている。

別に「勧誘」といった活動をしなくても、政治に興味と関心を持つことは悪いことではないし、むしろ、有権者として必要なくらいだ。

ところが、昭和の時代に「政治家=汚職」という構図が、メディアを通して有権者に刷り込まれてしまい、誰もが政治に目を伏せるようになった。
目を伏せたいくらいだから、話すのはやばい
いつしか「政治の話しはタブー」になってしまった。
その状況がもう40年近く変わっていないのである。

ここらで影響力のある誰かが「関心を持って、周りの人と話そう」と言って然るべきなのだが、アベノミクス以降、世の中はそこそこに「食えて」いるので、まぁそこまですることもないかぁというところである。

| |

2017年6月 8日 (木)

日本維新の会の今

壇上の右側には来賓の皆さん、左側には東京都議会選挙に立候補する皆さん

「日本維新の会」が東京都議会にもつ現議席は「1」
唯一の現職は柳ヶ瀬裕文
このイベントは柳ヶ瀬の選挙区で、基本的にその有権者をターゲットに行われている


「日本維新の会」は2012年12月の総選挙で、第二局をめざして生まれた政党
公募により政治を志す同志を集め、衆議院進出をめざした
中央集権、官僚による政治を打破して、既得権益の解体に挑む。
消費税地方財源化、地方交付税交付金廃止を謳う。
これが実現すれば、主要都市はさらに栄え、過疎都市は廃れる。
その受け皿が道州制という筋書きである。
(しらべる2012年9月記す)


2012年9月12日
設立宣言 現職国会議員7人が参加して政党要件(国会議員5人以上)を満たした。初期の7人を見る限り、先々の人材難が憂慮された

2012年11月17日
太陽の党と合併
石原慎太郎代表、橋下徹代表代行の体制に移行


「日本維新の会」は自らを「しがらみのない政党」という
既得権益をもつ者、富裕層、定職保有者にとって、その存在は不確定要素。
従って、既得権のない層または、しがみつかない層が支持層と言うことになる。
「日本維新の会」は7月の東京都議会選挙に「6人」の候補者を立て「6/127」を狙う


右側のグループに、見たことのある顔がいる
僕の記憶が確かならば、あの苦虫をかみつぶしているおじさんは渡辺喜美じゃないか?

2014年「みんなの党」解党後、2016年7月の参院選で「日本維新の会」から出馬して当選している
挨拶に立つと破顔一笑、突然元気になった
さすが政治家だ
「今日は地元の那須塩原から新幹線で来ました」
知らない人は、なにを言っているのかわからないと思うが、彼の地元は栃木
次の衆議院選挙では、鞍替え立候補を表明している

現在の東京都議会における政党の構図を「親安部」「反安部」「親小池」「反小池」で分類した話しはわかりやすかったが、話の最後に「
親安倍・親小池の改革大連合を目指すべきです」と小池寄りを標榜したのには違和感があった

よく言えば「是々非々」
悪く言えば、彼と党の意思統一が成されていないのだろう。

政治の世界では「よいことはよい、悪いことは悪いと、立場の属性にとらわれずに判断すること」を是々非々という。
政治、思想、宗教、嗜好などの立場がちがうと、すべて「非」
政治、思想、宗教、嗜好などの立場が同じだと、すべて「是」
とするのではなく、案件毎に是非を判断。
是とするならば協力していこうとする姿勢を是々非々という。

●実際に使われた例
共産党と呉越同舟するとは思わなかったが、首都移転については是々非々でいきましょう
(2001年 国会等の移転に関する特別委員会等 石原慎太郎参考人)
政策により「是々非々」で対応することは「主権在民」を矜持とする政治として理に叶っているが、悲しいかな、政治の素人から見ると分かりづらい。

つづく

| |

2017年6月 7日 (水)

日曜の朝 柳ヶ瀬裕文

初夏の朝
東京の気温は20度を超えて、じりじりと上がり始めていた
日曜日のこんな早い時間に、外にいることは珍しい
いつもならば、一週間の疲れを抜くべく、まだ布団の中だ。

開場の10分前、会場入口にはすでに200人が並んでいた
数取器でかぞえた訳ではないが、10人ずつブロックにしていくと×20組になった

定員は1000人と聞いているので、皆さんずいぶん早い仕掛けだ。
早く来た人の多くは、できるだけ間近で彼を見たいと思っているのだろう

かくいう僕もその一人だ
セミナーや講演を聴くときは最前列と決めている
別に眠りに行くのではないのだから、最前列に陣取り、自らに「さぁ集中して聴くぞ」というスイッチをいれるためだ。

9:30
開場と同時に僕らは会場に吸い込まれていく
ホールにつながる廊下には、この選挙区から立候補している柳ヶ瀬裕文が来場者と握手を交わしている。
彼の支持者としてここに来たわけではないが、握手を求められて拒むのもばつが悪い
僕の番が来たら、笑顔で応じようと思っていたら、前にいたおじさんが握手しながら自己アピールを始めたので、僕はその脇を通り過ぎることになった


「最前列からお詰めください」
仕事のセミナーでは、そう言われても後ろに座る人が後を絶たないが、今日は誰もが言われなくても、そうしただろう


前方に座高が高い人や、バスケットボールの選手がいないのを確認して、演壇の真正面に陣取った
登壇した演説者と目が合う距離だ(合わなくていいけど)


「一階、満席を確認して」
緑のジャンパーを着た係員が呼ぶ
僕の周囲も一席の空きもなく埋まっている
左側には40代女性
右には40代男性
(いずれも推定)
椅子には肘掛けがついているが、誰もそれを使わない
大股を広げたり、足を組んで陣地拡大を測る下品な者もいない
一応、常識的な人の集まりと言うことか

メインゲストの講演会を前面に出しているが、実際には東京都議会選挙をにらんだイベントである。


小池百合子率いる「自分ファーストの会」(だったかな)
が議会与党自民党の議席を引き剥がそうと挑む一大イベントが一ヶ月後に迫っている

首長率いる新興地域政党が議会を席巻した例として、河村たかし率いる「減税日本」が名古屋市議会で第一党となったケースがある。

河村たかしが仕掛けた「名古屋トリプル戦」で実現した「市議会リコール」を受けた2011年3月13日の名古屋市議会選挙

河村たかし率いる「減税日本」が第一党となり、彼の出身政党である「民主党」が第一党から第四党に滑り落ちた

政党 改選後 改選前
減税日本 28 1
自民 19 23
公明 12 14
民主 11 27
共産 5 8

河村たかしの「パブリックサーバント」としての矜持に比べると、対極にある小池百合子が同じ結果を出すとは予想できない。
だが、投票するのは東京都民の皆さんであり、何が起こるかはわからない。

つづく

| |

より以前の記事一覧