庵野秀明さんすごいよ! シン・仮面ライダーを観て来ました(筋バレなし・ネタバレあり)
【ご注意】
映画「シン・仮面ライダー」について筋バレはありませんが、以下の文章を読むと内容を類推することができる、すなわちネタバレがあります。
シン・仮面ライダーを見終わった今、ひとつの情景を思い浮かべて切なさを感じている
緑川ルリ子が1人、あのコートを着て佇んでいる
特にどのシーンというわけではない
主演の浜辺美波が仮面ライダーの脈絡のなかで整合性のある役割を演じていて、その終わり方までが切ない
「整合性」だと想う
鼻白むという言葉がある
なんで、そうなるの
安易だな
この程度か
フィクションで、このような「甘さ」があると、見ている側は作り手の心情を見透かしてしまう
その心情とは「表現のつたなさ」「貧困な発想」「予算と時間への忍耐力」
本来虚構を描くフィクション映画にも、観る者を納得させる整合性が必要だ。
シン・仮面ライダーは全編を通して、鼻白むことはなかった。
そのうえで、期待していたことへのサービス・親切は十分に満たされていた
仮面ライダーのギミックは活かされるのか
V3が出るのではないか
キノコモルグが出るのではないか(個人的な願望)
子どもの頃、本郷猛がライダーマスクを小脇に抱えている写真を見て、不思議な感情になった
仮面ライダーのマスクの後ろから髪の毛がはみ出しているのは、どう説明をつけるのだろうと想っていた
変身前の本郷が変身後のマスクを小脇に抱えるのはどうなのか
髪の毛は本来、見えてはいけないのではないか
なんで、そうなるの?
わくわくでもあるし、それはないだろとも想う
作り手は、幼気なファンを揺さぶろうと考えたのかも知れない
僕ら子どもには、所詮作りものだから、これでいいのだという達観もあった
できれば夢の中に居たかったが、こんなものなんだという現実があった
子どもの頃の話しだ
いとこの兄ちゃんが、下関マリンランドで行われた「仮面ライダーショー」に連れてってくれた
うどん屋から出撃するキノコモルグに衝撃を受けた
その日の夜、観て来たことを熱く語る僕に姉が尋ねた
「佐々木剛は来てたの?」
佐々木剛は当時「お荷物小荷物」に出演していた人気スター
千葉真一、マチャアキ(堺正章)らと並んで、僕ら世代共通の人気スターの1人だ。
佐々木の出演番組は、姉とチャンネル争いになることもなく、揃って愉しんでいた。
姉は「仮面ライダー」に興味はなかったが、主人公の一文字隼人役を佐々木が務めていることは知っていて、テレビに出ているスターが来ていたのかを聞いてきたのだ。
もちろん、佐々木は来ていなかった。
ショーでは、仮面ライダーは変身後の姿で、突然、袖(うどん屋のほう)から現れる
テレビの大スターが、子ども向けヒーローショーに来るわけがない。
→うどん屋で初対面のキノコモルグ
→うどん屋から出撃!キノコモルグ
虚構の世界を現実のように語っていた僕は、そう問われて止まれなかった。
仮面ライダーは最初から変身した状態で出てきたと想うけど、ちょっと見づらかったけど、照明が当たった時、ライダーの顔に佐々木剛の顔が投影されていたみたいだった
今でいえば「プロジェクションマッピング」か。
まだ、パソコンすらない時代に、ずいぶんと飛躍した嘘をついたものだ。
姉はそれ以上の追究はしなかった。
この記憶はこの50年封印してきた。いまふうにいえば「黒歴史」だ。
このまま墓場に持って行きたい(書いてるけど)
仮面ライダーは人間(藤岡弘やスタントマン)がスーツ・グラブ・ブーツ・マスク・マフラーを付けているという、ほぼ人間のビジュアル。
それが魅力だったし、ご都合主義だと想うところがあった。
この対立する感情に、いつも「作り物だから、これでいいのさ」とけりを付けていた。
ところが、シン・仮面ライダーはこれらのライダーギミックを、裏付けのあるプロットでみせてくれた。
みごとな整合性だ!
子どもの頃、夢の中にいたいと想った気持ちが、50年の時を超えて満たされた。
効果音、挿入歌で何度も頬が緩んだ
くすっと笑ってしまうキャラクターやキャストが登場し、その描き方も素敵だ
いや、庵野秀明さん、すごいよ
拍手を送るよ
実際に、上映が終わり、客電がついた時、1人の観客が拍手した。
僕は追随しなかったが、気持ちは同じだった。
映画館を出てグッズショップへ行くと、ライダーマスクのキーホルダーがあった。
残数はわずかで「現品限り」のポップが貼られていた。
これは、早めに観に来た人だけが買えるレアモノになるかもしれない。
即ゲットした
旧1号グッズは「HGガシャポン」以外、もう買わないと決めていたのだが
→仮面ライダー旧1号情報
→ど素人!仮面ライダー講座