音楽カセットの買い方・選び方<後篇>
前篇で挙げた複数のチェックポイントから、自分のこだわり・優先順をつけている。
最優先は「音」
A面の1曲めからB面の最後まで、いい音で鳴るか否か
ただし、音は目で見えないので、写真では判断できない。
「テープ状態は良好」「動作確認OK」
と書かれていても、それはテープが切れてないこと、回ることを担保しているに過ぎない。
ヤフオクの場合特に、専門業者が買い集めた中古品が多く、持ち主の顔は見えない。
そこで、ハーフラベル(テープに貼ってあるラベル)の状況から、保管状態を推察する
・ハーフラベルの紙が撓んでいる
・ハーフラベルの汚れが酷い
↓↓
古いというだけで紙は撓まない。撓むということは、保管場所が不適切だったと想われる。
汚れが酷いということは、ユーザーの取扱に問題ありと推察する。
保管状態が悪いテープは、磁性粉が劣化している可能性がある。
磁性粉(じせいこ):テープに塗る磁気を帯びた粉。読みは「じせいふん」ではない。
ひどい場合、ヘッドやピンチローラーに剥がれ落ちた磁性粉が付くため、テープを1本聴く毎にクリーニングしなければならない。
そもそも、ラジカセに悪影響がありそうだ。
テープが中間保管されている(端まで巻き取った状態ではなく、中間の状態になっている)場合、高い確率でその部分が音抜けする。
カセットユーザーならば経験があると想うが、テープの特定の曲だけ音が小さい、音がくぐもるという状態だ。
終端に巻き取られた状態でも、保管状態が悪い場合、その近くが音抜けする。
A面1曲めの立ち上がりだけ音が小さい、くぐもるといったケースだ。
音の次が「ラベル」
特にジャケットであるラベル。またはスリープボックス。
特に背見出しが美しいことが大切。
棚に並べた時に見えるのは背見出しだけであり、そのカセットの顔といえる。
日本版の一部商品には、ケースからはみ出して外に折り返すジャケット(ロングラベル)があるが、はみ出した部分が切り取られているものが多い。
これは、思い入れのあるタイトルならば、こだわりたいところ。
1975年~1985年頃の商品では、音楽カセットをすっぽり包む紙ケース(スリープボックス)入りのものが散見される。
本来、スリープボックス入りだが紛失(欠品)していて、ラベルのない状態で出品されることがある(欠品しているので安価に設定される)
それが、レアなタイトルの場合、次にいつ出るかわからないので、とりあえず押さえている。
ちなみに出品歴の目安は、ヤフオク「落札相場を調べる」、メルカリ「SOLD」で確認している。
→カセットテープ用語
カセットテープを入れているプラケースは傷んでいても、別のケースに換えればよいので、こだわらない。
こだわるポイント(ラベルの背見出し)が写真で確認できない場合、出品者に写真の追加を求めるか、検討を見送る。
買った後のリスト化もコレクターの楽しみ。
購入した音楽カセットはエクセル(ワークシート)で一覧にしている。
■データ項目例
・タイトル
・アーティスト
・リリース日
・購入価格
・出品者
・カセットの状態
・購入経緯、動機
「リリース日」を知ると「これが出たのは自分が高2の時だったのか」というように、当時の記憶が蘇ってくる。
音楽カセットは発売年月日順で棚に並べているので、そのための情報としても必要だ。
「タイトル名 リリース日」でしらべる。
日本版のスタジオアルバムならば、たいてい「Google先生」から一発回答が出るが、海外アーティストの企画もので海外版の場合、英語サイトのDiscographyまで追うこともある。
「出品者」と「カセットの状態」は、後の蒐集のための情報
状態のよい商品だった場合、信頼できる出品者という目安になる
状態が悪かった場合、検討しているカセットがその出品者だったら見送る
なお、ヤフオクで出品者評価に「非常に悪い」が付いている場合、過失の有無を確認している。
希だが一度だけ、落札後に連絡が来ないことがあった。
金銭面の損害はないが、気を揉む時間が惜しい。