玉屋のラウンド菓子はいつ終わったのか? 佐世保玉屋「ラウンド菓子」の歴史
2025年4月9日
佐世保玉屋が「6月末で一旦閉館」を発表した。
このことを玉屋を知る知人に話すと「まだ、やってたの?とうになくなったと想っていた」と言われた。
既に「ラウンド菓子」はなくなったことを伝えると、そこはとても残念そうだった。
■ラウンド菓子
量り売り菓子が円形のテーブルで回っているから「ラウンド菓子」と呼ばれる。
登場したのは、1958年に大阪の元禄寿司が「廻転寿司」を作った一年後。
1959年
松風屋(名古屋)の近藤琢三が発案
第1号機を名古屋の名鉄百貨店に設置
当時のブランド名は「スイートプラザ」
2017年にしらべるで「ラウンド菓子」の記事を作った時は、現在の「gram」ブランドで展開していた。
*佐世保玉屋も「gram」ブランドで運用
販売台の中央に玉屋の店員さんが1人か2人入っていて、その周りを円形の台が回転。
幼い頃の僕は「何処から入るんだろう」と考えていた。
客は計量用のカゴを握る
幼い頃から細かい事が気になるのが悪いクセだった僕は「このカゴの重さは正確に引かれるのだろうか」と想った
その場を動かずに待っていると(動くと隣の人にぶつかる)
目の前に 個包装されたチョコ、ラムネ、飴、せんべい、ゼリーボール、たまごボーロなどが回ってくる。
母が丸いチューブに入った抹茶水ようかんが好きだったので、浄土に還った後もお供えに買っていた。
僕の記憶が確かならば・・確か右周りだったが、今You Tube動画を探してみると「左周り」だった^^;)
大人も子どもも大好き。特に子どもは「量り売り」が大好きで「500円分買っていいよ」と言われると、人生がかかっているかのように真剣なまなざしで菓子と向き合う。
その姿をみた教育ママは 参考書・宿題を乗せて回したくなるだろう
玉屋のラウンド菓子は墓参り(納骨堂)に行く前、お供えの調達に重宝していた。お寺の決まりでお供えは持ち帰らねばならず、一瞬置くだけ。そんな用途にこのお菓子はぴったりだった。
最盛期は全国150カ所に置かれていた。
2017年にしらべた時点で、松風屋の「gram」は65カ所。
そのうちの1つが佐世保玉屋だった。
■佐世保玉屋のラウンド菓子はいつ終わったのか?
2023年12月
1階食品売り場がジョイフルサンに替わったタイミングで「中に人が入っていない」ラウンド菓子となった。
客はラウンドしている什器からカゴにお菓子を入れて、レジに進む
レジに量りが置いてあり、そこで量り売り。
2024年7月末
玉屋のテナント営業が終了したが、ジョイフルサンの営業は続いた。
2024年9月末
ジョイフルサンの営業が終了
このタイミングで什器はラウンドしなくなり、事実上「ラウンド菓子」は終了した。
僕がこのピース旅で玉屋を訪れた2024年10月
ラウンド菓子の什器にはカバーが掛けられていて「ラウンド菓子」が終わったことを実感した。
ところがその後、この什器はラウンドしない菓子置き場となる。
そして2025年5月現在、閉店処分品の肌着などが置かれている。
こうして東京にいる僕が玉屋の情報を把握しているのは、姉のおかげ。
ネットには載っていない地元情報は地元にいなければわからない。
1995年に仲間達と佐野元春さんのウェブサイトを立ちあげた時、これからの世の中は、何処にいてもなんでもわかるようになるのかなと想っていたが「情報発信者がいなければ何もわからない」ということが30年後の今、言えることだ。
日本のあちらこちらで、大人も子どもも熱中させた「ラウンド菓子」が「今、何処」に行けばあるのかを知らない。松風屋のウェブサイトには(僕がチェックし始めた2017年以降)「gram」に関する情報は掲載されていない。
「ラウンド菓子」が減っていく理由は、単純に言って売れないからだろう。
「重さで価格が決まる」ことで品揃えの制約がある。味や人気にかかわらず重い方が高いというのは市場の論理に合っていない。それならば・・・
・区画毎に単価を変える
・見切り処分品の菓子を乗せる
・うまい棒を乗せる^^;)
ラウンド菓子があれば、子どもが喜ぶ
「500円分入れなさい」と言われて、ワクワクしながら重さと美味さを按分する体験を子ども達に味わってもらいたい。
なんとか工夫して続けてほしい。
(玉屋の話しに戻る)
2025年6月30日
玉屋は"一時閉館"
以後、建物は取り壊される。
一部のテナントは仮店舗で営業する予定。
ラビアンローズの「玉屋サンド」については親戚に情報収集を頼んでいるが、現時点では未発表らしい。
周辺の再開発に合わせて佐世保玉屋は再建される見通しだが、時期は明示されていない。
いつかまた、一旦最上階まで上がりオモチャから見始めて、降りながら巡回、最後にラウンド菓子とサンドを買って買える「玉屋」を再興してもらいたい。
ハピアリ・ピースタこけら落としに参戦するピース旅日記(もくじ)
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