2023年12月 1日 (金)

「ペアリレー」はマラソン大会参加者減の救世主になるかも知れない

10月末に開催された「横浜マラソン2023」で、今大会より「ペアリレー」競技が新設された。
「ペアリレー」という名前から、なんだか甘い雰囲気を想起していたのだが、しらべていくうちにこれは「マラソン内の駅伝併催」なのだとわかった。

「ペアリレー」とは?
2人で襷をつなぐマラソン競技
・第1走者:スタート→中継地点
・第2走者:中継地点→フィニッシュ
・市民マラソンの1競技として行われる
・関門、ゴール制限時間などのルールは大会ルールを適用

横浜マラソン2023での「ペアリレー」
■開催日:2023年10月29日
■参加費 32,000円(2人1組)*一般ランナー20,000円
■定員:150組(300人)

・第1走者(約21km)
横浜ランドマークタワー前(スタート)→磯子スポーツセンター前(中継地点)
・第2走者(約21km)
磯子スポーツセンター前(中継地点)→パシフィコ横浜(フィニッシュ)

横浜マラソンのコースは2022年大会より、高速道路上の工程が11km→16kmに伸びた。
第2走者は中継所で襷を受け取ると間もなく杉田ICから都市高速に上がる。担当する21km中16kmが高速道路ということになる。


「横浜マラソン2023」の要項に「ペアリレー」という新種目をみつけた時、この趣向は他の大会では以前からあったのだろうか?あったとすれば「史上初」はいつ何処の大会だろう?という疑問がわいた。
生成AIや「Google先生」でしらべると、以下の大会でも"今後"予定されていることがわかった。


○高知龍馬マラソン2024
■開催日:2024年2月18日
■参加費:18,000円(2人1組)*一般ランナー13,000円
■定員:300組(600人)

・第1走者(約21km)
県庁前(スタート)→坂本龍馬記念館付近(中継地点)
・第2走者(約22km)
坂本龍馬記念館付近(中継地点)→春野陸上競技場(フィニッシュ)
*2人で走るのは42.195kmではなく "約43km"
*第1走者が競技を途中棄権した場合、第2走者は12時15分に中継地点から一斉スタート


○ふくい桜マラソン2024 *2024が初めての大会開催
■開催日:2024年3月19日
■参加費:25,000円(2人1組)*1人の場合14,000円
■定員:100組(200人)

・第1走者(約21.7km)
福井駅前・大名町交差点スタート ~ 森田駅前交差点付近(中継地点)
・第2走者(約20.5km)
森田駅前交差点付近(中継地点)→ 片町交差点付近フィニッシュ


「高知龍馬」「福井さくら」での実施は2024年であり、2023年10月の「横浜マラソン2023」が初めて「ペアリレー」を行ったマラソン大会と言えそうだ。

*マラソンの定義は「公道を42.195km(26.224マイル)走る陸上競技」
公道を使わない大会では、以下の大会があった。
2023年11月6日開催
第20回 大阪リレーマラソン2023 in 服部緑地(大阪府)
2人1組で42.195kmを走る

 

横浜マラソン2023では、ペアリレーランナーのナンバーカードに「ペアリレー」を表す襷をモチーフにしたアイコンがあしらわれ、実際に襷も掛けて走った。
中継所ではその襷を渡す。
制限時間までに第1走者が中継所に到達しなかった場合、第2走者は(一斉スタート襷を掛けて)一斉スタートする。まさに「マラソン内駅伝」

これまでにも「5km×4駅伝」といったランニング大会は行われているが、たいていは河川敷コースであり公道ではない。
箱根駅伝のように公道を封鎖して観衆が見守るなか「たすきリレー」する光景は感動的だ。
これまで、それを"見る"側だった「市民ランナー」がそれを"する"側に回れるのが「ペアリレー」

横浜マラソン2023では「ペアリレー」のエントリーが定員(150組300人)に達した(速報によると当日の参加者は227人)
当日の競技では「ペアリレー」のDNF(途中リタイア)はとても少なかった。


今回、横浜マラソン2023の運営側には新設ペアリレーに対する不安感があっただろう。
「過去にやったことがないことは、何が起こるかわからない」
だが一度やってみれば、自分たちが課題を乗り越えられることに気づく。

以下のような課題はあったものの、難なくこなせたものと拝察する。
・中継所の設営、運営
・DNS、DNFペアに対するリタイア受付の運用


「ペアリレー」は以下のような、これまでマラソン(42.195km)大会が取りこぼしてきたランナーを対象として取り込むことができる。
各大会は参加費を「一般ランナー」より割り増しで設定しており「客単価」を上げることにもなる。

1.陸上中距離競技者
横浜マラソン2023では上位成績者(10位まで)の大半が男性2人組だった

2.「フル42.195km はムリだけど、ハーフ21.09km なら」という市民ランナー
特に男女ペアで襷をつなぐというニーズを発掘できる

参加者減に悩む全国のマラソン大会主催者の皆さん「ペアリレー」種目開催をオススメします!

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2023年11月30日 (木)

「ランナー減少」「ボランティア不足」はランニング大会の二大課題

月刊ランナーズ2023年3月号に掲載されている山中伸弥教授の対談を読んでいて、急に長野マラソンを走りたくなった。
僕より1つ年下の山中教授が「今も自己ベスト(PB)を更新している」と言っていたからだ。

「マラソン自己ベストの平均年齢」という統計はないが、かつて「マラソンを始めてから5年」「46歳頃」といった論説を見たことがある。
自分はどうかと振り返ってみると、49歳で出したPBをもう何年も更新できていないことに気づいた。
それまで、記録が伸びない理由を「スタート時のトラブル」「悪天候」「手術明け」「コースの難易度」といったレース個々の要因に紐付けていた。
「ヒマになって走り込む距離が伸びればベストは更新できる」ものだと想っていた僕は、もうPBを追っかけるマラソンは終わっていたのだと観念した。


僕が引退レースと決めている「長崎平和マラソン」(2025年11月開催)前に、もう1度走りたいと想うのは「東京マラソン」と「長野マラソン」
先日「東京マラソン2023」の抽選で落選した時点で「長野マラソン」のエントリーが控えていたが「もう(制限時間)5時間は無理だろう」と諦めた。

最後に5時間を切ったのは2018年の「つくばマラソン」
あれから5年、コロナ禍を理由に走っていないこともあり、体力は大幅に落ちているはず。
それでも「距離を伸ばす」ことで、山中教授はタイムを詰めているという。
サラリーマン時代よりも練習に充てる時間は増している。「距離を伸ばす」だけならば僕にもできる。山中教授のように3時間台で走るわけじゃない・・・
ただ、走りたくなった時点で「長野マラソン」のエントリーから3週間が過ぎていた。


第26回長野マラソン(2024)の受付は以下のように行われている。

2023年10月14日(土)
出走権付き宿泊パック(先着200人)受付開始

2023年10月21日(土)
10:00~ RUNNETでエントリー(先着9,800人)受付開始
2024大会は電話エントリーがない
*前回大会は12月3日受付開始だった


ダメ元でRUNNETにアクセス>長野マラソンのページに進むと、なんとまだ[エントリー]ボタンが残っていた。
そうなると、あとは宿泊。「旅マラソン」ランナーが長野を走るには「エントリー」と「宿泊」2つの競走をクリアしなければならない。
長野市には善光寺という観光名所があり、4月の土曜日に宿を取ることはハードルが高いのだ。
結局、長野市内に空室が見つからず、エントリーは見送った。


2010年と2014年に出走した時、エントリーはその日のうちに完了していた。
全国の人気大会が「抽選」をおこなう中、長野マラソンだけは頑なに「先着」を守っていた。
「長野が大好きで毎年でも走りたい」というランナーにとって、これはありがたかった。
人気大会「長野マラソン」が1ヶ月(11月29日現在)経っても枠が埋まらないのは、昨今言われている「マラソンランナー減」を象徴している。


2020年より2年ほど続いた「コロナ禍」の間、中止または「オンライン開催」していた全国のマラソンは現時点でリアル大会を再開している。
だが、以前のような客足(参加ランナー)が戻らない。

山口県宇部市の「くすのきカントリーマラソン」は、2024年3月17日(日)に開催される第20回大会をもって終了する。
理由は「参加者の現象」「担い手(ボランティア)の現象」だろう。

ハーフマラソン以下をトップレースとする小規模大会も縮小が始まっており、いつもボランティア参加している大会は「参加ランナー減少のため、ボランティア募集枠も縮小」している。


「ランナー減少」「ボランティア不足」は今やランニング大会の二大課題。
そのうち「ランナー減少」については、先日参加した「横浜マラソン」に救世主となる取組を見つけた。

つづく

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2023年11月28日 (火)

THE NORTH FACEのウエアは回収 湘南国際マラソン

2023年12月3日(日)
第18回湘南国際マラソン(以下「湘南」)が開催される。

去年の第17回大会はコロナ禍で2020年、2021年の大会が中止となっていたため3年ぶりに開催だった。
その大会で画期的だったのは、世界で初めて「マイボトル給水システム」を市民マラソンに取り入れたことだ。
湘南国際マラソンの歴史

「マイボトルで走ろう」という呼びかけにより、ランナーは400ml以上の水量を携行できる容器(マイボトル)を持参。
給水ポイントは200mおき200か所(蛇口3,500)が設置された。
エイド(給水・給食)が比較的多い「横浜マラソン」で18か所だから、いかにその数が多いかわかる。間違いなく湘南は「エイド数世界一」のマラソンとなった。

前回は「400ml容量のマイボトルを満水にしてスタート」が競技規則だったが、今回は「必ず水分200ml以上が入ったマイボトルを携帯してスタート」に緩和される。


一般的なマラソンでは、エイドにはテーブルの上に水が入った紙コップが並べられていて、ランナーはそれをかっさらって取り、飲み終えるとマナーのいい人は設置されたゴミ箱へ、そうでない人はそのあたりに紙コップを投げ捨てていく。
何処にどう捨てようが捨てることには変わりなく、それらはゴミになる。

「マイボトル給水システム」を導入したことにより、昨年の湘南は8,000kgのゴミ削減に成功した。
*第18回湘南国際マラソンボランティア案内ハガキより

200か所設置される給水ポイントには、水が入ったタンクが並んでおり、ランナーはタンクの蛇口を捻ってマイボトルに自分で注ぐ。
一般マラソンのボランティアは、紙コップに水を入れて並べ、ゴミを集め・・という仕事をするが、湘南ではそういった仕事はない。

去年の17回大会では、給食のエイドは6か所設置された。
そこで出たバナナを食べた2人から感想を聞いたところ「生涯で一番美味いバナナだった」らしい。
ランナーの皆さんは、ぜひダマされたと想ってバナナをもらって欲しい。
(去年と同じバナナという保証はないけれど)


【第18回湘南国際マラソンの基本情報】

コース
▼スタート:西湘バイパス大磯西IC
▼江の島入口付近折り返し
▼ゴール:大磯プリンスホテル

湘南のコースは第1回が江ノ島発着だったが、諸事情により第2回からは向きが逆になって現在に至る。
とにかくひたすら海辺を行って帰ってくるだけの1WAYコースなので、気分が変わらないのが難点。
往路はずっと江ノ島が見えていて、復路は富士山。絶景も何時間もつづくと有り難みが薄れるし、対象が近づいてこないと「前に進んでいる」実感が持てなくて気分が淀む。視線を落とすと何処までも続くランナーの後ろ姿。
「高低差が少ない」「カーブが少ない」からタイムが狙える・・・
といった論評に対して「あんた、ここを走ってないだろ」と想っているランナーは少なくないと想う。
従って、沿道の応援の声が頼りだ。


開催日:2023年12月3日(日)
制限時間:6時間30分
スタート:9時0分(ウェーブスタートではない)
定員:19,500人
参加費:15,000円
スペシャルスポンサー:THE NORTH FACE


一方、スポーツボランティアの募集人員は3,300人(先着)
第16回は2,500人 第17回は3,220人
ただ昨年同様、今回も定員には達していないものと推察する。

東京マラソン2024のボランティア定員は10,000人。
それも定員を応募者が超えて抽選となる見通し。

東京マラソンが「走りたい人」だけでなく「ボランティアしたい人」まで抽選になる理由は、東京が「陽の当たる大会」つまり注目度が高いのと「招集エリア」にボランティア人口が多いためだ。

一方、湘南のボランティアが定員に満たない要因としては「地の利」のなさが大きい。
ボランティアは朝の6時、7時台に藤沢、平塚、大磯といった場所に参集しなければならず、東京都民の参加は限定的。事実上「招集エリア」は神奈川県となる。
活動場所が江ノ島付近ならば東京からでも参加できるエリアが増えるが、事前に場所の希望はできても「その地域限定」応募というのはできない。責任感の強いボランティアたちは、場所が遠いとわかってから「やっぱり行けません」とは言えないので、エントリーを躊躇している。

同じ神奈川県でも、10月開催の「横浜マラソン」の場合、東京寄りの横浜市開催なので、東京都も「招集エリア」に入る。2023年10月の大会では5,500人のボランティアを集めていた。


2023年6月20日頃、湘南ボランティアの前回参加者に案内はがきが届いたので、今回も選手村仲間を誘って参加することにした。

湘南のボランティアで特徴的なのは、ウェアが貸与であり活動終了後回収されることだ。
大半の大会では再利用しないので、その分多く費用がかかる。
参加する側としても、大会ロゴが入ったキャップ・ウエアを普段使いするのは難しく、溜まっていくか捨てている。

湘南の取組は理に叶っている。
ただTHE NORTH FACEファンの方には「ホントはもらいたい」という人がいるのかも知れない。
左胸にTHE NORTH FACEロゴ、右腕に湘南ロゴが入った緑のウェアは日の光に映えてカッコイイ。


当日は好天とランナーの皆さんにとっての好レースとなることを、お祈りしています。
沿道にお住まいの皆さんもぜひ、お誘い合わせのうえ、ランナーの応援にお越しいただければと想います。

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2023年10月20日 (金)

史上初? 「ペアリレーマラソン」を取り入れた横浜マラソン2023

(前の記事)
5分でわかる横浜マラソンの歴史2023

2023年10月29日(日)
横浜市内の名所と高速道路を走る市民マラソン「横浜マラソン2023」が開催される。
横浜マラソンは回次が西暦で表示される。「第*回」という表記はない。
これまで台風で1度(2017年) コロナ禍により2度(2020・2021年)中止となっており、開催されれば2015年の第1回から数えて 9年で6度めとなる。


■横浜マラソン2023

□時系列の記録
2023年4月3日
各枠とも一斉にエントリー受付開始(前年大会より23日早い)
2023年10月29日
8:30 号砲 15:00 レース終了


□トピックス
・3年ぶりに「ラッキー給食」が復活
・密集を防ぐために、前年は給水テーブルを参加賞Tシャツ色と連動して6つに分けていたが、今年は(ナンバーカードに記された)グー・チョキ・パーの3つに分ける。
・初めて「WEB受付」を行う。
横浜マラソンには、東京マラソンのEXPOのようなランナー受付イベントがない。今回初めてWEBでランナー受付を行う。


□コース
前年大会と変更なし
スタート:横浜ランドマークタワー前
ゴール:パシフィコ横浜
ゴール手前で女神橋(人道橋 2020年12月開通)を渡る
*長崎港に架かっているのは女神大橋

「名物」と言っていいのかは微妙だが、横浜マラソン最大の特徴である高速道路はコース中「21km~37km」の16km区間。2022年大会で「16km」に伸びたまま変わっていない。
この区間は一般立ち入り禁止のため、応援してくれるのはスポーツボランティアだけ。
ただし、ボランティアの役割は「給水」「コース監視」であり、高速上の16kmに満遍なく配置されるわけではない。
かなり長い間「風の歌」を聞き、仲間が踏み鳴らす「足音」を道連れに走らなければならない。時には靴紐を結び直して・・・

2022年大会ではコロナ禍プロトコルが残っており、沿道の応援と同様にボランティアも「声出し応援」は禁止だった(実際にどうだったかは別として)
2023年大会は沿道応援・ボランティアともに「声出し」について言及していない。事実上の解禁と言えるだろう。


□参加費
20,000円 *2022年大会よりこの値段


□定員:24,500人
一般枠:14,100人
女性ランナー優先枠:6,000人
地元(横浜市)優先枠:2,000人
地元(神奈川県民)優先枠:1,000人
ふるさと納税枠:100人(寄付額12万円以上)
チャリティ枠:400人
横浜マラソンチャレンジ枠:500人
ペアリレー:以下に記す


□ペアリレー
参加費 32,000円(2人1組) *1人の場合20,000円
150組(300人)

2人1組のリレーで42.195kmを走る「ペアリレー」はマラソン(公道大会)では史上初と想われる。
2人で襷をつなぐのは駅伝のようでカッコイイし、カップル参加ならばロマンチックだ。

第2走者が待機する中継地点は磯子スポーツセンター前(聖天川西側交差点)
横浜マラソンの公式サイトに各走者の分担距離は明記されていない。
コースマップで見ると、ランナーが杉田ICから高速道路(首都高横浜線)に上がる手前に中継所がある。
高速道路に(競技前の)第2走者が入ることができないための設定と想われるが、ちょうど中間点(21.0975km)あたりになりそうだ。

コース中に鎮座する高速道路は「21km~37km」の区間。第2走者の担当となる。
過酷な高速道路を回避するか(第1走者)
37kmから大声援を受ける「ビクトリーロード」を経てフィニッシュの爽快感をとるか(第2走者)


2023年10月29日
横浜マラソン2023に出場されるランナーの皆さん、好天と好レースをお祈りします。

ど素人!マラソン講座

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2023年10月19日 (木)

5分でわかる横浜マラソンの歴史2023

2023年10月29日(日)
横浜市内の名所と高速道路を走る市民マラソン「横浜マラソン2023」が開催される。
これまで台風で1度 コロナ禍により2度中止となっており、開催されれば6度めとなる。


横浜マラソンは2015年から始まった42.195kmの大会。
2007年に始まった「東京マラソン」が大成功を収めたのをきっかけとして、全国の政令市で始まった市民マラソンの一つ。

その取り組みは他とは一線を画するものが多く"10km以上高速道路を走る"というコースの特性上ハプニングや変更も多い。
その変遷の歴史を5分でわかる程度でお話したい。


■横浜マラソン2015
2015年3月15日開催
制限時間6時間
参加費15,000円は第1回大会としては史上最高額だった。

当時、各地の都市マラソンは東京マラソンの10,000円にヨコ並びで、それを超える大会はなかった。協定があったわけではないが、日本のマラソンに「抽選」を持ち込んだ人気大会の値段を超えるのは憚られたのだと推察する。
ただ、スポンサー収入・参加料収入共に「東京」に及ばない他地区では、利益を上げるために値上げしたいというのが本音だっただろう。

そこに横浜マラソンが一気にその壁をぶち破った。
横浜の名所を巡る魅力的なコースゆえ、定員を超える(抽選)ことは確実とはいえ、いきなりの15,000円には驚いた。
エントリーは定員を超えて抽選が行われた。

第1回開催後、コースが規定(42.195km)に対して距離不足だったこと、タイムは非公認となることが発表された。
原因はコース中に11kmの高速道路(首都高横浜線)を含むことに拠る。

マラソンコースの距離は専用自転車を使い事前に計測する。
だが日頃、高速道路には自転車が入れないため事前計測ができない。
やむを得ずレース当日、公道封鎖後に行った実測で不足が判明。コース修整はできなかった。


■横浜マラソン2016
2016年3月13日開催
参加費15,000円

横浜マラソンは「第2回」といった回数表記をしておらず、西暦年で表記される。
2015年大会開催前の時点で、スタート直後の道幅が狭く危険であることが指摘されており、この大会ではスタート地点がみなとみらい大橋に変更された。


■横浜マラソン2017
2017年10月29日(中止)

「春マラソン」の3月から「秋マラソン」の10月開催に移動したため、前回大会から1年7ヶ月の間隔が空いた。
大会は台風接近のため中止。
当時、台風による中止は珍しかった。コースの一定部分(10km程度)を占める首都高横浜線が海辺の風を受けやすい場所にあるためと思われる。


■横浜マラソン2018
2018年10月28日開催
制限時間が6時間30分に延ばされた
参加費15,000円

中止のために前回走れなかったランナーに優先エントリー権が付与された。
定員28,000人は大会史上最多


■横浜マラソン2019
2019年11月10日
11月第2週に移動
参加費15,000円
定員26,920人

初めて女性ランナー優先枠(10,000人)を設けた。
マラソン人口(マラソン大会出場人口)は男性比率がかなり高い。
女性限定マラソン「名古屋ウィメンズマラソン」と同日開催のマラソンが "ほぼ男子マラソン" になってしまったこともあった。
女性ランナー比率を上げるための賢明な策である。


■横浜マラソン2020
2020年11月1日 中止
参加費15,000円

コロナ禍により、同年2月下旬からすべての大会が中止を決めていた。
エントリー受付は行ったが当選者を発表することなく、5月8日に中止が発表された。


■横浜マラソン2021
2021年10月31日 中止
10月最終週開催に戻る
参加費23,000円 *8,000円値上げ
定員20,000人

定員を抑えたことにより大幅に値上げされた。
スタートをパシフィコ横浜に変更。
スタート直後の密集を避けるため、ブロック別時間差スタートに変更。
オンラインマラソンを併催。
コロナ禍の影響が残っており、7月30日に中止が発表された。


■横浜マラソン2022
2022年10月30日
参加費:20,000円 *3,000円値下げ
定員:23,000人

定員を若干戻した(増やした)ことにより、マラソンとしては珍しく参加費が値下げされた。
スタートをみなとみらい大橋から横浜ランドマークタワー前に変更。
初めて変更したスタート方式が運用された。走力順にスタート待機ブロックを設定し、待機ブロック毎に時間をずらすウェーブスタートで行われた。
コースに占める高速道路の比率が増して「16km」程度と過去最長になった。
中止となった2021年大会で打ち出されていたコロナ対応を踏襲し、コロナ禍以降では初めて行われた。沿道の応援は解禁されるが、声出しは禁止されていた。
エイドでの密集を回避するため、ナンバーカードを6色で色分け、給水テーブルを分けた(参加賞Tシャツの色と連動)

つづく

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2023年10月14日 (土)

長野マラソン2024 早くも募集開始

1999年
1998年まで41回を重ねた「信毎マラソン」を引き継ぎ、1998年の長野冬季五輪を記念して「長野マラソン」が始まった。


2024年に行われる第26回長野マラソンのエントリー受付が始まる。
昨年の「一般受付」は12月3日からだったが、今年は10月21日から。一ヶ月半ほど早い。
コロナ禍以降、マラソン大会は参加者が減っており、各地の大会はランナー確保に苦慮している。
東京マラソンに次ぐ人気大会の長野マラソンだが、早めの募集開始で「2024春マラソン」のお座敷を押さえたいということなのだろう。

エントリーする側としては、早く出場が確定することで、安心して練習計画が組めてありがたい。

■長野マラソン2024のエントリー
2023年10月14日(土)12:00
出走権付き宿泊パック(先着200人)受付開始
大会公式サイトで受付
受付開始1時間後に確認したところ「完売」していた。

2023年10月21日(土)10:00
10:00~ RUNNETでエントリー(先着9,800人)受付開始


・出走権付き宿泊パック(先着200人)
長野市内には「善光寺」というライバルがある。あまり室数が多くない長野市のホテルを「善光寺参り」の観光客と取り合うからだ。
長野への旅マラソンは「エントリー」と「前泊ホテル」合わせて2つの競争をしなければならない。
2023年から始めた出走権付き宿泊パックは、長野駅周辺のホテルがついてくる。

プラン料金を見ると、エントリーとホテル予約を別々にする場合と比べて割高ではあるが ①エントリーの早期確保 ②ホテル宿泊確保 ③レース当日ホテルからスタート会場まで送ってくれることを考えると魅力的だ。

・エントリー(先着9800人)
今年から電話エントリーがなくなり、RUNNETのみとなった。
過去2度出走した時の経験では「秒殺」ということはない。ただ、その日のうちには定員に達して終了していた。
RUNNETにログインした状態で開始時間に当該ページを開いて待っていれば、エントリーできるものと推察する。


長野マラソンは概ね「5大会開催毎」に、ランナーの意見を聞きながらコースを見直している。
その流れでいくと、今回は第26回大会であり「新コース」の巡りだが、第25回限りの変更だった14~18kmの区間見直しを元に戻す以外、特にコース変更は言及されていない。

コロナ禍により2020年(22回)2021年(23回)が中止となっており、2019年(第21回)大会からの現コースでは今回が4回め。見直しは2026年大会で行うのかもしれない。

■参加費:14,300円
チャリティエントリー(+1,000円)を受付
エントリーは先着順であり、チャリティ拠出の有無と出場権は無関係

■定員:10,000人
定員は2012年大会に10,000人となって以来、ほとんど変わっていない

■前日受付
2024年4月20日(土)10時~20時
長野五輪会場にも使われたビッグハットで選手受付 ナンバーカード配布
コロナ禍前はここで「フェアウェルパーティ」のチケットを販売していたが、現在は(レース終了後の)パーティ自体が開かれていない。

長野マラソンはこれまでに走った中では、東京マラソンと並んで好きなコース。
レース前日から当日の歓待、善光寺観光といった「旅マラソン」としては最も好きな大会だ。
できれば、コロナ明けの復帰レースとして走りたいところだが、もう「5時間制限」のレースを完走する自信がない。
せめて「ネットタイム」で「5時間」にしてくれたら・・・

「旅マラソン」が好きな方で「長野マラソン」が未だという方がいたらぜひ、2024年大会への参加をお勧めしたい。


■過去2度長野マラソンを走った詳細なブログ
→「長野マラソン2010を走る!
→「新コース、2度めの長野マラソン

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2023年9月19日 (火)

マラソン 47全都道府県制覇! への途が開けるふくい桜マラソン

コロナ禍前は「マラソン47全都道府県制覇!」を目指していた。
マラソンとは「公道を42.195km走る競技」のこと。
日本では"長距離を走る大会"をマラソンと呼ぶため、10kmに出場して「先週マラソンでした」と言う人も少なくないが、僕が目指していたのはいわゆるフルマラソンである。

「マラソン47全都道府県制覇!」を目指している人は、1000人くらい居ると思う(マラソン講座推定)
それでは「マラソン47全都道府県制覇!」を達成した人が日本に何人いるのか?となると、恐らくまだ居ないと思う。
マラソン47全都道府県制覇達成を謳っているウェブページを見たことがあるが、その中には「42.195kmではない大会」や「(マラソンの定義を外れる)公道ではない大会」が混ざっていた。

多くの人が目指しているが誰も達成していない理由は、以下※1に示すように「マラソン未開催県」があったからだ。

2023年9月現在、主催する"マラソン大会"が1つもない都道府県は「福井県」のみ。その福井県で2024年3月31日に「ふくい桜マラソン」の開催が予定されており、これでマラソン未開催都道府県は一旦なくなる※2
「マラソン47全都道府県制覇!」を目指してきた人にとっては待望の開催である。


□マラソン未開催県 増減の推移 ※1
2007年以降

2008年4月
徳島県初のマラソンである「とくしまマラソン」開催

2010年
・滋賀県で唯一の大会「あいの土山マラソン」が中止。2010年は市民ランナー向けの大会がなかった。2011年に再開
・奈良県で「奈良マラソン」開催。未開催県を外れた。奈良県では2000年に「明日香ひな祭り古代マラソン」が終了した後開催が途絶えていた

2011年
・福井県が未開催県となった。2010年は中止となっていた「チャレンジ九頭龍マラソン」が2011年の段階で、開催見通しなしとなったため
・長崎県で「長崎国際マラソンinハウステンボス佐世保」開催。未開催県から外れた

2012年
「長崎国際マラソンinハウステンボス佐世保」は1回限りで終了。長崎県が再び未開催県となった

2013年
佐賀県で「さが桜マラソン」が始まり未開催県から外れた

2014年
・群馬県で「前橋・渋川シティマラソン」が始まり未開催県を外れた。1987年の「御荷鉾SPマラソン」終了後は未開催だった

2014年
宮城県で「東北風土マラソン」が始まり未開催県を外れた

2015年
長崎県で「五島つばきマラソン」開催。再び未開催県から外れた

2018年
島根県松江市で「国宝松江城マラソン」開催。未開催県から外れた

2020年
三重県松阪市で「みえ松阪マラソン2020」開催。未開催県から外れる予定だったがコロナ禍で中止

2022年12月
三重県松阪市で「みえ松阪マラソン2020」開催。未開催県から外れた

2024年3月31日
福井県で「ふくい桜マラソン」開催。福井県のマラソン開催は「チャレンジ九頭龍(くずりゅう)マラソン」以来14年ぶり

※2 2024年は初めて"マラソン大会"47全都道府県開催の年になる。ただし「公道を42.195km走る」マラソンの定義を満たす意味での「マラソン47全都道府県開催」は、まだ先になりそうだ。

*「マラソン講座」では、非開催も「未開催」表記で統一している


□ふくい桜マラソンの概要
開催日:2024年3月31日
制限時間:7時間
エントリー方法:先着順
定員:13,000人(一般枠4,500人)
参加料:14,000円
スタート/ゴール:福井駅前・大名町交差点/片町入口交差点付近
スタート時刻:第1ウェーブ 8:30/第2ウェーブ 8:40

プロランナー大迫傑がプロデューサーを務める。
GPSウォッチの普及とコロナ禍でもリモートランで楽しめる趣向として流行しているのが「GPSアートマラソン」この大会コースは、軌跡が恐竜のカタチになる。
福井県は恐竜化石の発掘に力を入れており、勝山市に2000年に開館した福井県立恐竜博物館がある。

□ふくい桜マラソン 時系列の記録
2009年
福井県唯一のマラソン大会だった「チャレンジ九頭龍マラソン」が終了。福井県がマラソン非開催県になった
2019年4月
「福井で、みんなでフルマラソン委員会」が試走会実施
2022年1月7日
ふくい桜マラソン2024開催発表
2023年
当初の開催目標
当初は2022年に予定されていた北陸新幹線の敦賀延伸が2024年に延期されたため計画を先延ばし

2023年6月30日~11月15日
一般エントリー(今ココ)
2023年6月30日~11月10日
スポーツボランティア募集期間(定員先着3,500人)
2024年3月16日
北陸新幹線金沢 - 敦賀 間開通
2024年3月31日
ふくい桜マラソン号砲


僕の経験談として言うのですが・・・
マラソン大会は「そのうち走ろう」と想っていると、大会が打ち切りになることがあります。また災害や伝染病などにより中止になることもあります。
47全都道府県制覇!を目指す方はもちろん、地元の方、故郷が福井で「いつか両親の前で走す姿を見せたい」と想っている方。
時も大会も待ってくれません。今を逃すと、次はないかも知れませんよ。

ど素人!マラソン講座

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2023年4月19日 (水)

第25回長野マラソンを走る「旅マラソン」ランナーの皆さんへ

びんずる尊者が長野マラソンに間に合った!

善光寺のびんずる尊者は4月5日に盗まれて、その日のうちに見つかった。
公開は防犯対策をとったうえで再開とされていた。

4月10日、びんずる尊者が公開を再開した。
防犯対策として、びんずる尊者が鎮座するザブトンの下に、重さの変化を検知するセンサーを設置。重さが変わると即座に関係者に連絡がいくシステムを導入した。

びんずる尊者には「自分が痛い所と同じ所を触るとよい」という言い伝えがある。
直近のNHKニュースでは「びんずる様をなでたしゃもじでご飯を食べるとよい」と報じていた。
いつから「しゃもじ」なのか?
「Google先生」ではわからなかった。
ChatGPTでは「江戸時代」からという見解だった。


長野マラソンに参加する場合、関東からは前泊の旅。
前日早めに長野入りして、受付を済ませたら 善光寺へ向かう。

レース前日はグリコーゲンを温存するために、できるだけ歩数を減らしたい。
長野駅からタクシーに乗って「善光寺 本堂のすぐそばまで」と頼んで本堂そばにつけてもらう。
本尊の地下を進む「お戒壇巡り」(別料金)は魅力的だが、レース前なので見送る。
お目当ては「びんずる尊者」
「どうか、明日のレースで膝が痛くなりませんように」
と念じながら、びんずる様の膝をなでなで

過去2度参加した長野マラソンにおけるルーティンであり、長野マラソンでは「どこかが痛くなる」という経験をしていない。


2023年4月23日(日)
第25回長野マラソンが開催される

コロナ禍の影響を受けたのは2000年と2001年
2大会が中止となった後、2022年よりリアル大会が復活した。

長野マラソンは5回次ごとにコースの見直しを行っており、過去には第6回、第11回、第16回、第21回にコースの一部が変更されている。
今回はその定期変更のタイミングではないが、臨時の事情により14~18kmの区間が一部変更された。この変更可第25回限りであり、第26回では元に戻る。


■第25回大会
・参加費:14,300円
チャリティエントリー(1,000円)を受付
エントリーは先着順であり、チャリティ拠出の有無と出場権は無関係
・定員:10,000人
定員は2012年大会に10,000人となって以来、ほとんど変わっていない


■レース当日の天候(アーカイブ)
2018年大会:雨 13度 *スタート時
2016年大会:小雨 18度 *9時現在
2015年大会:晴 12度 *9時現在
2014年大会:くもり 9.3度 *スタート時
2013年大会:雪 0.4度 *スタート時
2012年大会:晴れ 最高気温15度
2011年大会開催予定日:晴れ 最高気温14度
2010年大会:晴れ 最高気温13度
2009年大会:晴れ 最高気温23度


善光寺のご開帳は(コロナ禍による1年延期を経て)昨年2022年に開催された。
従来の6年に1度の間隔からいけば、次回は2028年となる見通し。

長野マラソン開催前にびんずる尊者が復座されたことが嬉しかった。
「旅マラソン」参加の皆さんには、びんずる尊者をなでなでした後、仲見世通りを下りながら左手にある「善光寺世尊院釈迦堂」に立ち寄られることをお勧めしたい。

大門の交差点から長野駅まではなだらかな下り。
翌日のレースコースでもある。
かなり下っているので、ペースを上げたくなるが、2度めに走った時、それで失敗してしまった。
「ここは沿道の応援に手を振りながら、ゆっくり行こう」
マラソンを控えた、町の賑わいを感じながら長野駅まで歩くことをお勧めしたい。

ど素人!マラソン講座

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2023年3月 7日 (火)

世界6大大会を駆け抜けたランナー Congratulation! おめでとうございます! お疲れ様です! 1万回の声かけ

2023年3月5日(日)
東京マラソンのゴール、東京駅は曇り。少し薄日が差している
集合時間の9時よりも30分前にやってきた

僕らが写真を撮ってよいのは、集合時間前・休憩中・解散後だけ。
ゴールなどをカメラに収める
ゴール周辺には白いヘルメットを被ったスタッフが、作業を続けている。台車が着いたゴール両脇のスタンドは既に定位置に就いている

今日はここで38,000人(東京マラソン史上最多の定員)を待つ。
Weather Newsの予報では、レース終了の16時頃に「1mmの雨」マーク
なんとか、最後のランナーが帰ってくるまで、この天気がもってほしい


東京マラソンは、ボランティアでも定員を超える応募があり、今回は抽選で当たった。
東京五輪2020やWBCのようなスポットの大会を除き、優に定員を超える大会は珍しい。
リーダーさんは、とても、すばらしい方で「ボランティアも楽しめる1日」を演出してくださった。
そのせいか、初対面の皆さんとの会話も弾む。ここまでいい感じになるチームは珍しいと思う。


先頭のエリートランナーがゴールして、いよいよ活動が始まる。
ランナーにボディシートを渡す
相手の目を見て「おめでとうございます!」と声をかける
見知らぬ人の目をのぞき込むことはないのが日常だから、この状況は特別なことだ。

日本人と外国人が入り交じってやってくる
EXPOでは「5割くらいが外国人」という体感だったが、この日は担当レーンの関係もあり「3割くらいが外国人」
それでも、とてつもなく高い比率だ。


外国人ランナーの中には、今日の大会で「Six Star メダル」にたどり着くランナーがいた。
市民ランナーが出場できる世界の6大大会「アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)」をすべて完走するともらえるのが「Six Star メダル」
「残すは東京だけ」のランナー達にとって、コロナ禍の数年は「一日千秋の思い」だっただろう。

メダルにリーチがかかったランナーのナンバーカードにはSix Star のQRコードが印字されていて、めでたく完走すると、ゴール後の導線に設営されたテントで「Six Star メダル」を受け取ることができる。


おめでとうございます Congratulation! お疲れ様です!
お、つば九郎! ピカチュウ! ・・・

疲れてるかな? という方には「お疲れ様!」
かぶりものはキャラクター名
目から入る情報を処理して、かける言葉を切り替えるのは、なかなか楽しい

「僕って器用だな」と心の中で思う(書いてるけど)

おめでとうございます ・・・ Congratulation! ・・・
おめでとうございます ありがとう! Congratulation! Thank you!

「ありがとう」「Thank You」を返してくれると嬉しい
言葉はなくても、にっこり笑ってくれると嬉しい
自分もずっとにっこり笑っていられるのが心地よい


体感的には2割くらいの方が、何らかの反応をしてくれる

外国人のレスポンス率は5割増し
目と目を合わせれば、心が通い合う

スルーするランナーにも、きっと、伝わっていると思う。

自分がランナーの時の立場でいうと、すべての沿道の観客やボランティアが声を掛けてくれるわけではない。
だからこそ「かけ声」は貴重だし、嬉しい。力になるなんてもんじゃない。
だからこそ、その気持ちに応えたい。
苦しくて「ありがとう」が言えない時もある。そんな時は「どもっ」と左手を挙げる。それも無理な時は「うん」と軽く頷く^^;)
その余裕もなくて、何も応えられない時は「申し訳ないな、ありがたいな」と思う。


1人に「おめでとう」と声をかけて、その後ろからくる次の人は省略とはいかない。
僕がランナーの立場だったら「僕には言ってくれなかった」と思うから、止められない。

目の前のレーンを通る推定2万人に対して、1万回くらい言っただろうか。数取器で数えてはいないが・・
「100万回 言えばよかった」は金曜ドラマだが、僕はためらわず「1万回言ってよかった」

1万回めあたりで、モーニングFLAGの堀潤さんにも「おめでとう」を言うことができた。
あれだけの激務のなか、この激走
ありきたりな言葉でいえば「不屈の闘志」か
レース前日は休み、翌日の有給休暇がマストだった僕の、想像を超えている

「市民ランナーがベストタイム(PB)を出す平均年齢は46歳」
というデータを見たことがある(出展不明)
44歳でマラソンを始めた僕のPBは49歳の時。そこからは、練習量が同じでもタイムが下がっている。
いつか、堀さんの「5時間切りチャレンジ」レースを応援したい。

心配していた天候は、16時過ぎにぽつぽつと数滴の雨粒が落ちたけれど、すぐに上がった


レース後のランナーを迎えるというポジションは2度め。前回はリーダーだったため、自身ではランナーとの交流は楽しめなかった。
今回は、最初のエリートランナーから、最後の残念ながら7時間を過ぎてしまったランナーまで。
およそ5時間。ランナーと心の通う交流ができた。

よい仲間、よい天気、良きランナー達
幸せな一日
翌日、声が枯れているかと思ったが、なんともなかった
日頃「終わりなき旅」で鍛えた成果かも知れない

ど素人!マラソン講座

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2023年3月 5日 (日)

東京マラソン2023 走る前から「金メダル」? 外国人ランナーが多い理由

なぜ、これほど、気持ちが昂ぶるのだろう
「東京マラソン」には、得体の知れない魔力が潜んでいる

2005年、自身の初マラソンを控えていた時、石原慎太郎都知事により「東京マラソン」の詳細が明らかになった。

「制限時間7時間」「定員3万人」「東京の名所を巡るコース」
日頃、地元の川沿いや公園といった「日の当たらない道」を細々と走っていたど素人ランナーにとって、東京の街を1日封鎖して走るなんて、織田裕二もびっくり。そんなことが、現実に起こるとは想ってもいなかった。


■東京マラソン創生期

2003年11月14日
石原都知事が東京マラソン構想を記者会見で発表

2004年4月
東京都と日本陸連が協議を始めた
東京マラソン事務局事業部長の早崎道晴氏が自転車で都内の道路を走り、コースを煮詰めていった
*参考文献「東京マラソンの舞台裏」枻出版社

2005年12月12日
第一回開催日を正式決定 制限時間7時間、定員3万人、コースが公表された

2006年4月10日
開催要項発表

2007年
2月18日(日)第一回開催(第1回は2月第3日曜)
青梅マラソンに配慮して、間隔を空けた週が選ばれた

2023年3月5日(日)
東京マラソン2023(第17回大会)が開催される
コロナ禍以降では、2度めとなる。

コロナ禍以降の東京マラソン 東京マラソン2023まであと1週間


大会3日前の3月2日、僕はボランティア・ウエアを受け取るため、東京ビッグサイトに居た。
今も異次元の運賃を誇るりんかい線「国際展示場」の駅を出て、その異様を遠くにみると、ランナーではないのにテンションが上がる。
徐々にその異彩が近づくと、井之頭五郎の気分だ^^)

僕がスポーツボランティア界にデビューしたのが、2007年の「第1回東京マラソン」
当時は、周囲に「ボランティアに行く」というと「どっかで地震あった?」と言われた時代。
それ以降、東京マラソンは訳あって縁遠く、これがようやく2度めとなる。

第1回のボランティア受付会場は東京ドームだった。
2016年大会までのコースは、東京ビッグサイトそばの臨海部にゴールしていたため、ここはランナー・ボランティア受付に使われていた。
2017年大会以降、銀座四丁目の左折が右折となり、コースは臨海部には足を踏み入れなくなっている。


ビッグサイトに向かう人たちのシルエットは暗い。その大半がビジネスショーや会議といったイベントを目指しているからだ。
その隊列の向こうから、外国人のご夫婦らしき人がやってきた。スポーツウエアの色合いは、一目でそれが東京マラソン受付帰りなのだとわかる。

「おいおい」
思わず、つっこんだのは、女性の首から金メダルがかかっていて、ストラップは見覚えのある東京マラソン・チェッカー模様。
なんで、走る前から完走メダルを提げているんだ?おかしいだろ^^)

僕は推測する。
恐らく、外国では「過去に走った大会のメダルを、次の大会でも提げてくる」という文化があるのだろう。五輪選手村で選手やボランティアが「どーだ!」とばかり、ストラップにピンバッチを付けているように・・

会場内にも、同じ趣向の外国人がたくさん居て「金メダリストの集い」かと思った。
推測は確信に変わった・・・のだったが
この日、出会ったジャーナリストの堀潤さんも首から金メダルをかけていた。

毎朝の習慣である「モーニングFLAG」のキャスターである堀さんが、東京マラソンを走ることは知っていたが、確か、堀さんは初マラソンでは?過去の完走メダルは持っていないはず・・・

*堀さん、ネガティブスプリットの快走をお祈りしています!

どこかのブースで、完走メダルのレプリカでも配っているのかな?
「金メダル問題」は、後に謎が解けた(後述)


会場に入ると見慣れぬ光景に違和感を感じた。
地べたに座り込んでいる人がとても多いのだ。
日本人は公衆の面前や店舗で、地べたに座るという風習がない。
それらの方はほぼ皆、外国人だ。

EXPO会場を歩いている方も、外国人がとても多い。
「出場ランナーに占める外国人の割合」というデータは承知していないが、体感として「五割は外国人」である。
外国人出場枠を多めに設けたのか?
今日が外国人受付日なのか?
ただ単に、日本在住のマラソン大好き外国人が集まっているのか?

いろいろな「?」を頭に描きながら、会場のすべてのブースをチェックする。
こんな刺激的な空間は珍しい。


「東京マラソンに外国人が多い」問題の謎は、ランナーとして参加する選手村仲間による次の意見が、的を射ていると想う。

「2020大会からの権利移行組が、大挙、参加しているのだと想います」


■出走権付与(特例)
コロナ禍の影響により、不開催だった2020、2021大会出場者に対して、以下3大会での出走権付与(権利移行)の特例が設けられている

(1)東京マラソン2021[2022年3月6日(日)開催]
(2)東京マラソン2023[2023年3月5日(日)開催]
(3)東京マラソン2024[2024年3月3日(日)開催予定]

選択肢は3つあるが (1)の時点では、外国人の入国が規制されていた。
今回(2)は外国人の入国緩和後、最初の大会。
権利を留保していた外国人ランナーにとって「出走解禁」となる最初のレースなのである。


一方「金メダル問題」の答えは、ランナー受付のボランティアが教えてくれた。
「中止になった大会に走れなかった方に渡しています」
ランナーに渡すパッケージに目印があり、その方に渡しているという。

それで、権利移行でやってきた外国人が軒並み、走る前から「完走メダル」をかけていたのだ。

EXPO会場には、連日多くの外国人ランナーが詰めかけていた。
東京マラソン2023のコース上には多くの外国人ランナーが走り、まるで東京が外国になったような光景が広がっているかもしれない。

ランナーにとって、走りやすい、ほどよい好天の1日となること
ランナーの皆さんにとって、笑顔の快走となることを祈る。

ど素人!マラソン講座

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